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四十肩・五十肩とは?原因・症状について解説
2024年11月15日肩こり肩の痛み四十肩・五十肩とは?原因・症状について解説
1. 四十肩・五十肩とは?
四十肩・五十肩は肩の可動域が大きく制限され、日常の動作に支障をきたす疾患です。
主に40代から50代に多く見られますが、年齢に関わらず発症することもあります。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節や周囲の組織に炎症が生じて痛みや硬直を引き起こします。
肩の構造と病態
肩関節は人体の中でも特に可動域が広い部位です。肩関節を安定させているのは、肩甲骨や上腕骨をつなぐ筋肉や腱(ローテーターカフ)などの組織です。
これらが炎症や摩耗によりダメージを受けると、肩の動きが制限されます。
加齢により関節包が硬くなることや、肩を酷使したり、逆にあまり使わないことが発症の引き金となります。
誰が発症しやすいか
発症リスクは加齢とともに高くなります。
特に運動不足で肩をあまり動かさない人、または繰り返し肩を酷使するスポーツ選手なども影響を受けやすいです。
また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患を持つ人も、四十肩・五十肩の発症率が高いとされています。
四十肩と五十肩の違い
実際には、「四十肩」と「五十肩」に明確な違いはなく、どちらも肩関節周囲の痛みや可動域制限を指します。
一般的には、発症する年齢によって名前が変わりますが、症状や治療方法は同じです。
四十肩・五十肩は単なる肩の痛みではなく、肩周囲の筋肉や関節の健康を保つことが重要です。
2. 四十肩・五十肩の症状
四十肩・五十肩の症状は、主に3つの段階に分かれ、各時期で異なる痛みや可動域の制限が現れます。
1. 炎症期
この初期段階では、肩を動かすたびに鋭い痛みが生じます。
特に夜間に痛みが強くなることが多く、寝返りを打つ際に目が覚めることもあります。
腕を上げたり、背中に手を回すような動作が難しくなるため、日常生活に支障をきたします。
痛みは急に悪化することもあり、腕を動かすだけで激しい痛みが走る場合もあります。
2. 凍結期
痛みは次第に和らいでくるものの、肩の動きが大きく制限されます。
肩が硬く感じられ、上げる・回す・伸ばすといった動作が非常に困難になります。
これが「凍りついた」ように感じられるため、「凍結期」と呼ばれます。
この時期は数か月から1年程度続くことがあり、肩が動かしにくい状態が続きます。
例えば、腕を上げる動作や後ろに回す動作ができず、着替えや洗髪が困難になることがあります。
3. 回復期
肩の可動域が徐々に回復し始める時期です。
痛みはさらに軽減し、肩の動きも次第に改善されていきます。
回復期には、筋肉が再び柔軟性を取り戻し、肩がスムーズに動かせるようになりますが、完全に元に戻るには数か月から数年かかる場合もあります。
リハビリやストレッチが効果を発揮しやすい時期ですが、焦らずに無理なく進めることが重要です。
痛みの特徴と影響
- 夜間の痛み: 特に炎症期に強い痛みを感じることが多く、睡眠不足につながることもあります。
- 動作の制限: 髪をとかす、背中をかくなど、腕を上げる動作や回旋動作が難しくなるため、日常生活に大きな支障をきたします。
- 筋力の低下: 肩を動かせない期間が続くと、筋力が低下し、肩周囲の筋肉が衰えることもあります。動作を無理に行うと、さらに炎症や痛みを引き起こす可能性があるため、適切な対処が必要です。
このように、四十肩・五十肩は進行する段階によって症状が変化します。早期の診断と適切な治療が、症状の悪化を防ぐ鍵となります。
四十肩・五十肩の原因
1. 肩甲骨周囲筋の問題
肩甲骨周囲筋は、肩甲骨を安定させてスムーズな肩の動きをサポートする筋肉群です。
これらの筋肉が硬直する、または弱化すると、肩甲骨の可動性が悪くなり、肩関節に過剰な負担がかかります。
肩甲骨がうまく動かないと、肩関節の動作が制限され、炎症や痛みが発生しやすくなります。
デスクワークや運動不足で肩甲骨周りの筋肉が硬くなると、肩の動きがスムーズでなくなり、四十肩のリスクが増します。
2. 肩関節インナーマッスルの弱化
肩関節インナーマッスル(ローテーターカフ)は、肩の安定性を維持し、関節のスムーズな動きを支える筋肉群です。
これらの筋肉が弱くなると、肩関節が正しい位置に保持されにくくなり、過剰なストレスがかかります。
長時間の同じ姿勢や運動不足により、これらの筋肉が衰えると肩の安定性が失われ、四十肩や五十肩を引き起こしやすくなります。
また、過度の肩の使用や反復動作によってもインナーマッスルに負担がかかり、炎症が生じることがあります。
3. 姿勢不良(円背/巻き肩)
姿勢不良、特に円背(猫背)や巻き肩は、肩甲骨と肩関節の位置を変え、肩に余計なストレスを与える大きな要因です。
円背の姿勢では、背中が丸まり、肩甲骨が前方に引っ張られるため、肩関節の動きが制限されます。
巻き肩は肩が内側に丸まった状態で、肩関節が圧迫され、可動域が狭くなります。
このような姿勢は、肩の筋肉や腱に過剰な負荷をかけ、炎症や痛みを引き起こすリスクを高めます。姿勢を改善することが肩の健康維持に不可欠です。
その他の要因
これ以外にも、体幹の筋力不足や下半身の筋力の弱さが原因となる場合があります。
体幹が弱いと姿勢が崩れやすくなり、肩や肩甲骨周囲の筋肉に余分な負担がかかります。
また、下半身の筋力不足は、全身のバランスが悪くなり、動作時に肩にかかるストレスを増加させることがあります。
肩の問題を予防・改善するには、肩周囲だけでなく、体幹や下半身の筋力をバランスよく鍛えることが大切です。
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五十肩の原因と対策法
2021年11月15日肩の痛み五十肩の原因と対策法
肩のコリや違和感を放置し続けていると、突然肩が上がらなくなり強い痛みが出てきた。そのような肩の症状は50代で多く起こるため、「五十肩」と呼ばれています。
今回は五十肩に関する質問に対して、トレーナーからのアドバイスを解説します。
五十肩とは?「五十肩」とはその名の通り、50代に起きる肩の痛みの症状を指します
同様に「四十肩」についても40代に起きる肩の痛みの症状であり、それぞれに違いはありません。
これらの肩の痛みは肩関節周囲炎と呼ばれており、肩の関節周囲に炎症が起こることで痛みが出ていると考えられます。
しかし、関節周囲には筋肉や腱、靭帯、関節包等の組織がたくさんあり、全ての人の原因がここ!というのは特定することができません。
多くの場合、関節包(関節を保護する袋状の組織)や滑液包(腱や筋が骨の上を通る時の摩擦を少なくするための潤滑油のような袋)に炎症が起きることで痛みが生じると考えられています。
重度の場合、肩甲骨と上腕骨を結ぶ腱板が切れる腱板断裂の可能性もありますので、肩の痛みが強い場合は早期に整形外科の受診をすることをお勧めします。
五十肩になるとどんな症状が出るの?五十肩になると、下記のような症状が現れます。
・肩を上げるのが痛い
・肩を水平に保つことができない
・洋服を着替えるときに痛い
・髪を後ろで束ねるのが痛い
・つり革を掴むのが痛い
・洗濯物を干すのが痛い
・シャンプーや歯磨きをするのが痛い
・夜寝ているときに痛みが出る
・腕や手にしびれが出る
基本的には、何かの動きをすると痛む(運動時痛)がありますが、夜間にズキズキ痛みが出たり(夜間痛)、何もしなくても痛む人もいます。スポーツなどの素早い動きが困難になるだけでなく、日常生活にも支障をきたします。
どんな人が五十肩になるか?五十肩は、加齢による変性に何らかの外傷が加わって発症することが多いことから中高年に頻発します。
ただし、近年では長時間のデスクワークや運動不足によって若年層も五十肩に近い症状が出やすくなっています。(五十肩という名称ではありませんが)
また、デスクワーカーの方以外にも、手術を行う医師や、板書を行う教員、重い荷物を運ぶ配送員など、あらゆる仕事を行う人が五十肩になる可能性があります。
肩が痛いのは五十肩なのか?五十肩は多くの肩がなる症状ですが、肩の痛みが全て肩関節周囲炎というわけではありません。
肩の痛みには、肩の腱板が断裂する腱板断裂や上腕二頭筋長頭腱炎、肩峰下滑液包炎、肩関節亜脱臼、肩鎖関節捻挫など様々な原因が考えられるため、自覚症状だけで五十肩であるという特定は難しいです。
MRIなどの精密検査で原因が特定できることもありますので、まずは決めつけずに専門家に相談をすることをお勧めします。
五十肩は自然に治る?症状が出た直後は、炎症が強く肩の痛みを感じることが多いです。しかし、発症後3日ほど経過すると急性期ではなくなり、痛みが和らぐことがあります。
もし、1週間経っても痛みが緩和されなかったり、半年以上痛みが続いている場合は、他の原因があるか慢性的な痛みになっているため自然に治すことは難しいです。
MRIなどの画像所見でも原因が分からない場合は、肩に負担のかかる身体の使い方になっているため「根本的な原因は何か?」を見つけることが大切です。
五十肩の原因は何か?五十肩の原因は加齢によるものが多いと言われますが、他の部分が動きにくくなって結果的に肩に痛みが出ていることがほとんどです。実際に、肩の痛みを訴えてパーソナルに来る方のほとんどが肩以外に原因があり痛みが出ています。主な原因としては下記が考えられます。
①肩甲骨の可動域低下
肩関節は上腕骨と繋がって「肩関節」を作っているため、肩甲骨の動きが悪くなると肩の関節の周りにある組織が炎症を起こしやすくなります。
また、肩を上まで上げる時に上腕骨と肩甲骨が2:1の割合で動く肩甲上腕リズムという身体の仕組みがあり、このリズムが崩れてしまって五十肩などの肩の痛みが出る方が多くいらっしゃいます。
気をつけの姿勢から少しだけ肩を上げるのは平気だけど、30度以降になってくると痛みが強くなるという方は、肩甲骨の可動域が低下している可能性が高いです。
②胸椎の可動域低下(特に伸展)
背骨(脊椎)は上から頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)と24個からなっています。
その中でも胸椎の可動域が低下すると、肩関節に負担をかけすぎてしまい痛みが生じやすくなります。
猫背の状態と胸を張った状態でそれぞれ腕を前から上げてみてください。
猫背の状態では上げるのが難しいことがすぐに分かると思います。
肩に痛みを訴える方の多くは、胸椎の可動性が低下しており、特に胸を反らす・張る動作(伸展)が硬くなっています。
③体幹の筋力低下
体幹の筋力が低下している人ほど、肩の動きが悪く五十肩などの痛みになりやすいです。
皆さんの身体で試していただくと分かると思いますが、お腹の力を抜いた状態で肩を上げるのと、お腹の力を入れた状態で肩を上げるのでは、後者のほうがスムーズに肩が挙げられます。
なぜこのような事が起きるかというと、体幹の筋肉にはフィードフォワード機能というものが備わっているからです。
これは、肩や股関節などの末端についている筋肉が収縮するコンマ数秒前に体幹の筋肉が働くことで、効率的な動きができるというものです。
つまり、体幹筋の筋力が低下しているとフィードフォワード機能が使えなくなり、肩に過剰な負担をかけてしまうことになります。
その他にも、股関節や足首が原因で五十肩になってしまうこともあります。
身体は全身繋がっており運動連鎖があるため、痛みとは別の部位が根本原因であることがほとんどです。
なので、肩だけ治療すればよいというものではないのです。
五十肩になったときの対処方法五十肩になってしまったときは、急性期と慢性期で対処が異なります。
◯急性期の場合
・冷却療法(冷やす)
炎症が出ているときはアイシングによって炎症を抑えましょう。肩のアイシングはアイスパックを使うことをお勧めします。
誰かに手伝ってもらい、肩に固定をして15〜20分間冷やします。また、炎症が出ているときは無理に動かさずに安静にすることで炎症を早期に抑えることが大切です。
また、寝るときに痛みが強く出る場合、痛い肩の下にクッションを敷いたり、痛い側を上にして横向きで寝ることで緩和しやすくなります。
◯慢性期の場合
・温熱療法(温める)
炎症がおさまったら動きを良くするために、積極的に温めましょう。
肩まわりの組織が固まってしまうと長期的な痛みに繋がりますので、お風呂に入ったり、ホットパックを行うことが効果的です。
・運動療法(運動)
慢性期に入ったら、痛みのない範囲で徐々に動かしていきます。痛みが解消したと思って動かずに放置していると、再発や慢性化のリスクが高まるため、積極的に運動(リハビリ)をすることで肩まわりの機能回復を行います。
五十肩のためのトレーニングとストレッチ五十肩のためのトレーニングとストレッチをご紹介します。
すでに五十肩になっている方は必ず無理のない範囲で行ってください。
①キャットバック
肩甲骨と胸椎のストレッチになります。
②ソラシックローテーション
胸椎のストレッチです。
③リブストレッチ
胸椎および肋骨のストレッチです。
④コブラ
肩甲骨まわりのトレーニングです。
⑤オーバーヘッドリーチ
体幹筋のトレーニングです。
⑥デッドバグ
体幹筋のトレーニングです。
⑦ヒップリフト
体幹筋と股関節周りのトレーニングです。
まとめ今回は五十肩について、詳しく解説をしました。
五十肩は症状であり、適切な運動やケアによって改善することが可能です。
全ての原因が肩にあることは少なく、ほとんどは隣接している関節や他の部位が動きにくくなったことで痛みが生じているケースなので根本原因は何か?に目を向けて正しく改善していきましょう。
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腕をあげると肩が痛む原因とは?
2021年5月20日肩こり肩の痛み腕をあげると肩が痛む原因とは?
こんにちは。
田町のパーソナルジムBeU代表の高正康平です。
本日は腕をあげたときに肩が痛む「インピンジメント症候群」という症状についてお話していきたいと思います。
皆さんは、肩が痛くて上げるのが辛い、というような症状になったこと、あるいは今現在もなっていますか?
実は年齢が高くなるにつれて、この肩の痛みを訴える人は増加しており、進行すると肩が全く上げられなくなってしまうこともあります。
そこまで進行すると、着替えやつり革を掴むなどの日常生活にも支障を及ぼすことになります。
その中でも、肩の痛みに特に多いのが「インピンジメント症候群」と呼ばれるものです。
インピンジメント症候群とは?インピンジメントとは「衝突」という意味です。
肩の関節を動かしたときに上腕骨と腱板や滑液包と呼ばれる軟部組織が挟まれることで、その部分に炎症が起きて、痛みが生じる症状を指します。
肩関節の周りについている筋肉や骨は下記のとおりです。
肩関節は『球関節』と呼ばれており、小さいお椀にゴルフボールが乗っかっているような関節の形態です。
その特性上、筋肉や軟部組織によって肩を安定させているのですが、インピンジメントは肩を上げたときに『肩峰』と呼ばれる骨と筋肉が挟まれて、そこで摩擦を生じさせるのです。
その中でも、ほとんどの場合は棘下筋や上腕二頭筋という筋肉が炎症を起こして、痛みを引き起こすことになります。
つまり、肩が痛いからといってやみくもに動かして改善しようとしても、さらに摩擦を起こしてしまい痛みが増してしまうわけです。大事なことは、この『挟み込み』が起きないようにすることです。
インピンジメント症候群の対処法では、具体的にどうすれば『挟み込み』が起きないか?ということですが、対処の方法としては下記のとおりです。
- 硬まっている腱板や上腕二頭筋長頭をほぐす。
- 肩甲骨の動きを良くする。
- 背骨(特に胸椎)の動きを良くする。
- 全体的な姿勢を改善する。
1.硬まっている腱板や上腕二頭筋長頭をほぐす。(リリースをする)
まず1つ目は挟まれて硬くなっている筋肉をほぐしていくことです。シンプルに筋が硬い状態では、動きが悪くなるため、直接的にアプローチしていきます。ただし、これはあくまで根本改善には繋がらないため、他の3つをしっかり実践することが必要不可欠です。
2.肩甲骨の動きを良くする。
肩を上げるときには、この肩甲骨が動くことが不可欠です。肩関節と肩甲骨には『肩甲上腕リズム』というものが存在しており、肩関節と肩甲骨が2:1で動かなければ、肩を上まで上げることができません。そのため、肩甲骨の動きを高めていくことで肩の痛みの改善に繋がります。
3.背骨(特に胸椎)の動きを良くする。
3つ目は背骨の動きを良くすることです。例えば、背中を思いっきり丸めた状態で肩を上げてみてください。その後、背中を少し反らせた状態で肩を上げてみてください。どちらのほうが肩を上げやすいかというと、明らかに後者です。
つまり、背骨がまっすぐ(胸椎が反る)できるようにすることで、肩も上がりやすくなります。
4. 全体的な姿勢を改善する。
肩甲骨と背骨の動きはもちろんのこと、マクロ視点で見たときに全体の姿勢が良いことが大切です。
例えば、足首が硬かったり、骨盤が後傾している状態では、肩を上まであげることができません。
つまりは、下半身も合わせた全体の姿勢を良くすることで、肩の動きが良くなるというわけです。