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食欲を抑えるホルモン『レプチン』について
2021年3月30日ダイエット食事食欲を抑えるホルモン『レプチン』について
こんにちは。パーソナルトレーナーの高正です。
本日は、食欲に関わる重要なホルモンの1つ『レプチン』について解説をしていきます。
レプチンとは?
レプチンとは、脳の視床下部にある満腹中枢に作用して食欲を抑制させるホルモンのこと。
そして、レプチンは脂肪細胞から作られます。
つまり、脂肪から作られる=太ってる人ほどレプチン濃度は高いということになるので、「太ってたほうがいいじゃん!」ということになりますが、太っている(肥満)の人はレプチン濃度が高くても、レプチンが効きづらい「レプチン抵抗性」があるため、結果的にレプチンによる食欲抑制の恩恵を受けることができないのです。
(また、脂肪が多いことで、インシュリンが過剰に分泌されてしまい太りやすくなるという側面もあります。)
レプチン抵抗性を防ぐには?
レプチン抵抗性を改善するには、次の3つが有効になります。
①加工食品の摂取を控える
→オメガ6、グルテン、トランス脂肪酸はレプチン抵抗性を高めてしまうため、加工食品に代替するものを決めておくと良いです。例えば、甘いものが欲しくなったら、リンゴやサツマイモなどの糖質を摂るようにします。②食べ過ぎない
→カロリーオーバーな食事は、レプチン抵抗性が高くする原因です。食べ過ぎを防ぐには、ワンプレートのお皿に盛り付けたり、たんぱく質の摂取量を増やすことがポイントです。③睡眠をしっかり取る
→睡眠不足になると脳の報酬系が乱れて、レプチン抵抗性が高まります。日中に陽の光を浴びたり、ストレッチやヨガによって自律神経を整え、睡眠の質を高めることが重要です。身体づくりのためには、ホルモンの仕組みを理解することが重要なので、レプチンがしっかりと作用する身体を目指していきましょう。
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身体につかない油脂「MCTオイル」とは?
2021年3月27日食事身体につかない油脂「MCTオイル」とは?
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
今回は、ダイエットや健康の情報で度々目にする、「MCTオイル」について解説します。
MCTオイルとは?
MCTオイルとは、中鎖脂肪酸トリアシルグリセリド(Medium Chain Triglycerides)だけで構成される油脂のことです。
通常の植物油脂では、中鎖脂肪酸以外にも、短鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸及び、不飽和脂肪酸等のトリアシルグリセリドで構成されますが、MCTオイルはココナッツ油やパーム油などのヤシ科植物の油脂から中鎖脂肪酸のみから精製されます。
MCTオイルは最近になって注目され始めましたが、実は40年以上前から栄養補給の手段として医療現場で使用されてきました。具体的には、てんかんの改善や術後患者の栄養補給、高齢者のエネルギー補給などで利用されている油なのです。
MCTオイルの性質
MCTオイルは、「体につかない油」や「エネルギーになりやすい油脂」などと呼ばれています。
その理由は、代謝の特性にあります。
まず、通常の食用油脂の場合、小腸で消化吸収された後、リンパ管・静脈を通過し、脂肪組織に一旦蓄積されます。そして、必要に応じて肝臓で分解されることになります。
一方、MCTオイルは小腸から門脈を経由して、直接肝臓に移動し分解されてエネルギーになります。
つまり、MCTオイルは腸管吸収後の代謝経路が、通常の食用油脂と異なり、非常に吸収が早いのが特徴です。
そのため、体に合わない人や一度に多く摂取してしまうと、下痢などの症状を起こすことがあるので、注意が必要です。
また、MCTオイルは発煙点が低く、調理(特にフライ調理)には向かないため、常温で飲料に混ぜたり、サラダ等にかけて食ベることがポイントです。
ある研究によると、MCTオイル摂取後は血中のケトン体値の上昇や中性脂肪の上昇を抑制する効果があると報告されており摂取するメリットもありますが、MCTオイルは、身体にとって必ずしも必要な油ではありません。そのため、MCTオイルを使う目的を明確にした上で、取り入れると良いでしょう。
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ドーパミンを正しく分泌させる方法
2021年3月17日デトックスライフスタイル食事ドーパミンを正しく分泌させる方法
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
「ドーパミン」という神経伝達物質は、皆さんもご存知だと思いますが、
この物質を正しく分泌させることは、健康になるために非常に重要なことです。
そこで、今回はドーパミンについて解説をしていきます。
ドーパミンについて
ドーパミンは、脳の側坐核という部位から分泌される神経伝達物質のことで、
別名「快感のホルモン」とも呼ばれています。
このホルモンが分泌されると、
- やる気や幸福感が感じられる。
- 集中力が高められる。
- ポジティブな思考になる。
など、非常に良い効果を私たちにもたらしてくれるので、日頃からドーパミンを出すことを意識していくことで、毎日充実した日々を過ごすことができます。
ドーパミンを増やす方法
ドーパミンを色々なアプローチによって分泌を促すことができます。
その代表例としては以下になります。
1. 運動をする。
運動をすると、ドーパミンの分泌が高まります。仕事で疲れた時は休憩して、軽く外で運動をするとそのあとの仕事への集中力が増します。また、ベストなタイミングは朝です。朝に日を浴びることでセロトニンも分泌させることができるため、朝早く起きて30分程度のウォーキングや筋トレを行うことがオススメです。
2. 食事でタンパク質を意識して摂取する。
ドーパミンは、アミノ酸のフェニルアラニンとチロシン[keikou]から構成されます。そのため、それらの栄養素が豊富に含まれるタンパク質を摂取することがポイントです。多く含まれる食品は[keikou]大豆や卵、バナナ、アーモンド、アボカドなどです。
3. 腸内環境を整える。
ドーパミンは脳の側坐核から分泌されますが、最近になって腸からも分泌されることが分かりました。腸内環境を整えるために、食物繊維や乳酸菌などを積極的に摂取することもポイントです。
4. 新しいことにチャレンジする。
新しいことにチャレンジすると、脳が活性化されてドーパミンが分泌されます。特に音楽や絵、何かを作ったりする創造行為をすることがオススメです。
その他にも、好きな音楽を聴いたり、瞑想することでドーパミンの分泌が促されることが明らかになっています。
これらの様々なアプローチを生活の中で取り入れていくと良いでしょう。
ドーパミンの悪い出し方もある。
ドーパミンは私たちに良い効果を与えてくれますが、一方でドーパミンには悪い分泌のさせ方も存在しています。それは、所謂「中毒」と呼ばれる類のものです。
その代表的な例は、アルコール・タバコ・ギャンブル・加工食品・ジャンクフード・SNSです。
これらの行為はドーパミンを過剰に分泌させて、「またあの幸福感を味わいたい」という中毒症状を引き起こすため、一度ハマってしまうと非常に危険です。
なので、悪いドーパミンの出し方ではなく、正しいドーパミンの出し方で健康を作っていきましょう!
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硬水と軟水の違いとは?メリットとデメリットについて。
2020年12月27日ダイエットデトックスライフスタイル食事硬水と軟水の違いとは?メリットとデメリットについて。
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
皆さんは、「お水」に拘っていることはありますか?
お水にも色々なブランドがあり、種類も様々です。
中でも大きく違うことは、「硬水」と「軟水」の違いです。
なので、今回は
・硬水と軟水の違いはそもそも何なのか?
・硬水、軟水のメリットとデメリット
について、解説していきます。
硬度とは?
軟水と硬水の違いは、水の「硬度」にあります。
水には、主にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれており、水1000mlあたりのカルシウム・マグネシウムの含有量によって「硬水」と「軟水」に分類されます。
WHOの基準では、
0~60mg/l未満:軟水
60~120mg/l未満:中程度の軟水
120~180mg/l未満:硬水
180mg/l以上:非常な硬水
で分類されていますが、日本の基準は少し異なります。
0~100mg/l未満:軟水
101~300mg/l未満:中硬水
301mg/l以上:硬水
なので、おおよそ、
100mg/l未満が軟水、100mg/l以上を硬水と分類されていると思っていただければと思います。
例えば、東京の水道水の硬度は、およそ60mg/lなので「軟水」
エビアンの硬度は、304mg/lなので「硬水」になります。
硬水と軟水のメリット・デメリット
では、硬度によってどんなメリット・デメリットがあるかについて、話していきます。
まず、硬水のメリット・デメリットについては下記になります。
メリット
・消臭効果があり、肉の臭みを消したりアクを出やすくなる。
・煮込み料理やパエリア、パスタに合う。
・マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれる。
デメリット
・マグネシウムイオンによって胃腸に負担がかかりやすい。
・肌や髪への刺激が強い。
次に、軟水のメリット・デメリットは下記になります。
メリット
・胃腸に負担がかからない。
・肌や髪に優しい。
・和食料理や炊飯、緑茶に合いやすい。
デメリット
・水道管の腐食性を高める。
硬水に含まれているマグネシウムには独特の香りや風味があるのに対して、軟水は無味無臭です。
そのため、料理を美味しさを引き立たせるために、硬水と軟水を分けて選ぶと良いでしょう。
また、日本人は軟水に慣れ親しんでいるため、硬水を摂ることで内臓に負担をかけてしまったり、体調が悪くなってしまう人もいらっしゃいます。
なので、合う・合わないかは、摂った後の身体の変化をしっかり観察していくと良いでしょう。
「合う・合わない」のチェック方法
では、摂ったお水が合うか合わないかはどうチェックすれば良いのか?という話ですが、
これは「筋力と柔軟性」の変化でチェックすることをオススメします。
自分の身体に合っていないお水を摂ると、身体が重くなったり、力が入りづらくなります。
その一方で、身体に合っているお水を摂ると、身体が軽くなったり、力が入りやすくなります。
つまり、合うものを摂ると、筋力や柔軟性が高まり、
合わないものを摂ると、筋力や柔軟性が下がるということです。
筋力や柔軟性のチェック方法は、どんなものでも良いです。
ただし、必ず条件を同じにして行なうようにしてくださいね。
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冬は脂肪がつきやすい!冬太りの解消方法とは!?
2020年12月18日ダイエットファスティングライフスタイル食事冬は脂肪がつきやすい!冬太りの解消方法とは!?
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
12月に入って、気温がかなり下がってきてますね。
今回は『冬は脂肪がつきやすい』というエビデンスと、
その理由・対策方法について解説をしていきます。
冬は体脂肪率・体脂肪量が上がる。
まず、冬は体脂肪率・体脂肪量が高まりやすいということを、
2つの研究を取り上げて解説していきます。
日本で寮生活をしている女子大生142人を対象に、 6月と1 2月の身体組成を比較した結果、体重・全身体脂肪量及び全身体脂肪率において,有意に増加する傾向が見られました。
また一方で、 全身筋肉量においては、有意な変化 が見られなかったということが分かっています。
弓桁ら(2015) 日本人若年女性における体脂肪の増減の部位差
アメリカのオクラホマ大学の男性・女性の大学生82人を対象に、ホリデーシーズン(感謝祭から正月まで)における体重と体組成の変化を調べたところ、体重は変化しなかったにもかかわらず、体脂肪率と脂肪量の大幅な増加が観察されました。
Holly R Hullら(2006) The effect of the holiday season on body weight and composition in college students
このことから、
冬は体脂肪量、体脂肪率が高まりやすい時期だと言えます。
そして、その理由としては、大きく分けて3つあると考えています。
1. 寒さに対して体温調節機能をより働きやすくするため。
2. 外気温の低下によって、消費カロリーが減るため。
3. 年末年始のイベント等によって、摂取カロリーが増えるため。
1. 寒さに対して体温調節機能をより働きやすくするため。
1つ目の理由は、寒さに対応するために脂肪を蓄えるということです。
寒い地域で生息しているホッキョクグマやアザラシ、ペンギン、トドなどの動物を見ると分かるように、彼らは身体に脂肪をたくさんつけています。
これは、体脂肪が寒さから身を守るための「断熱材」としての役割があるためです。
そのため、冬になると脂肪がつきやすくなるのは、身を守るための身体の自動機能である、ということが言えます。
これについては人間の本能なので、「そうなんだ」と理解しておいてください。
2. 外気温の低下によって、消費カロリーが減るため。
2つ目は、冬になると活動が低下するためです。
外気温の低下によって、外に出るのが億劫になるため、当然消費エネルギーが減少します。
加えて、近代では家の中が暖房でかなり温かくなっているので、冬に最も高いはずの基礎代謝もそこまで変化することがなく、体脂肪がつきやすくなります。
冬に脂肪をつけたくないのであれば、夏と同じくらいの運動習慣を継続することがポイントです。
冬だからこそ、外に出てウォーキングしたり、ランニングすることもオススメです。
3. 年末年始のイベント等によって、摂取カロリーが増えるため。
3つ目はクリスマスや忘年会、お正月などの様々なイベントで摂取カロリーが増えるためです。
この期間では、炭水化物や脂質が多い食生活が増えるので、それに伴って体脂肪も蓄積しやすくなります
この対策としては、プチ断食を入れることをオススメします。
プチ断食とは、16時間、24時間の間、何も食べずに水分だけを摂取して過ごすことです。
冬に脂肪がつきやすいというのは、動物に備わっている機能でもあります。
しかし、生活習慣を正すことで十分に対策することができます。
夏でも冬でも、自分の生活習慣を大事にして過ごしていきましょう。
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停滞期を乗り越える3つのポイントを解説!
2020年12月17日ダイエットファスティング食事停滞期を乗り越える3つのポイントを解説!
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
今回はダイエットに励んでいる方に対して、
「停滞期の乗り越え方」について解説をしていきたいと思います。
停滞期とは?
停滞期とは、ダイエットをある程度の期間行なっていると体重の減少が緩やかになる、もしくは止まる期間のことです。
ただ、停滞期に関する研究は少ないため、その原因が何なのかはハッキリと分かっていません。
その中でも、特に停滞期のメカニズムとして挙げられるのが、ホメオスタシス(恒常性)が働くということです。
ホメオスタシスとは、常に一定の状態に保とうとする身体に自動的に備わった仕組みのことです。
ダイエット中は、摂取カロリーが消費カロリーよりも低い状態=アンダーカロリーにすることで、体重や体脂肪率が落ちます。
しかし、その状態が続くと身体が「このままではいけない」ということで、一時的に代謝を下げてエネルギーを消費しないようになります。
すると、アンダーカロリーにならず、体重が落ちにくい停滞期にぶつかってしまうという訳です。
ただし、ホメオスタシス機能はダイエットに限らず、人間が生きていく上で必要不可欠なものですので、ある意味当然なことなんですね。
そのため、人間の身体にはホメオスタシス機能がある、ということを理解しておくことが大切です。
停滞期の乗り越え方について
では、停滞期に入った場合どのように停滞期を乗り越えていくのか?について話をしていきます。
私が考える、停滞期を乗り越える方法については、下記となります。
1. そのまま脱するのを待つ。
2. 炭水化物を多く摂取する『カーボアップ』を取り入れる。
3. 摂取カロリーは変えずに、PFCバランスを変える。
1. そのまま脱するのを待つ。
1つ目は、シンプルに「脱するのを待つ」ことです。先ほどのホメオスタシス機能は、ずっと働くわけではありません。個人差はありますが、2週間〜1ヶ月経過すると、また体重が落ちてくることもあります。そのため、今まで通りの食生活を維持して、少し待ってみるということも選択としてはありです。ただし、摂取カロリーを極端に落とし過ぎている場合は、そのままにしていると栄養不足になり、筋肉も分解しやすくなりますので、その場合は他の選択をしましょう。2. 炭水化物を多く摂取する『カーボアップ』を取り入れる。
2つ目は、炭水化物を多く摂取する「カーボアップ」をどこかで1日取り入れることです。
ダイエット中は糖質の摂取を抑えている方がほとんどですので、一時的に炭水化物をたくさん入れることで、代謝を高め、また体重を落としやすくするという方法です。
具体的にいうと、体重1kgあたり4〜6グラムの炭水化物を1日の中で摂取していきます。
ただし、このカーボアップをやった方が良い方は、普段から炭水化物を少なめに抑えている方に限ります。
仕事の付き合いで外食があったり、土日にはいつもより多い量を食べているという方は、このカーボアップをしても意味がありませんので、安易にカーボアップを取り入れることはオススメしません。
そして、何でも食べて良いというわけではありません。
基本的には、お米から炭水化物は摂取するようにしましょう。もしそこまでシビアな減量でなければ、お餅や麺類、パンを食べても良いと思いますが、できる限りはお米が良いでしょう。
3. 摂取カロリーは変えずに、PFCバランスを変える。
3つ目は摂取カロリーは変えずに、PFCバランスを変えることです。
ホメオスタシスが働いているのは、摂取量だけではなく、食べている種類も関係します。
鶏の胸肉ばかり食べていても、身体がそれに慣れてしまうので減量が思ったように進まなくなるんです。
そのため、PFCバランス(炭水化物/タンパク質/脂質)を少し変えて、身体の慣れを脱するということも有効だと考えています。
例えば、ローファット(脂質を抑えた食事)を行なっている場合は、良質な油(青魚やアボカド、亜麻仁油、MCTオイル)を取り入れて、脂質を摂るように変えてみる。
一方で、ローカーボ(炭水化物を抑えた食事)を行なっている場合は、2つ目のカーボアップを取り入れたり、炭水化物の摂取を増やすようにします。
そうすることで、身体に新しい刺激が入って、停滞期を抜け出すきっかけになっていくと思います。
今回は、停滞期を乗り越える方法について解説していきました。
個人差がありますので、「〇〇をすれば良い!」というのはなかなか難しいですが、今回お伝えした3つのポイントを是非ご参考にいただければと思います。 -
褐色脂肪細胞を活性化させる方法とは!?
2020年12月14日ダイエットライフスタイル食事褐色脂肪細胞を活性化させる方法とは!?
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
寒くなってきて、食べすぎで太ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
脂肪が身体にあること=悪というイメージが強いですが、実は脂肪にも種類があるんです。
今回は脂肪細胞の1つである「褐色脂肪細胞」について解説をしていきます。褐色脂肪細胞とは?
皆さんは、脂肪には2種類あるということを聞いたことがありますか?
実は脂肪には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞という2種類の脂肪があります。そして、これらの脂肪は対照的な役割をしており、白色脂肪細胞は身体に溜め込む(蓄積する)のに対して、褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞を取り込み、エネルギーを燃焼させ熱を作る「ヒーター」のような働きをします。
つまり、褐色脂肪細胞を活性化することで、私たちはエネルギーをどんどん燃やすことができ、太りにくい体質に変えていくことができると言えます。
しかし、褐色脂肪細胞は年齢を重ねるにつれて減少することが分かっています。体温を一定に保つため、生まれたての赤ちゃんは褐色脂肪細胞を最も多いですが、年齢を重ねるにつれて体温調整機能が必要ではなくなるため、30代では幼児期の50%、40代では30%程度まで減少していきます。
褐色脂肪細胞の機能が低下したり数が減少すると、生活習慣病やメタボの原因になるということも最近の研究で分かってきました。
そのため、大人になってからは、いかに褐色脂肪細胞を活性化させるかがポイントです。褐色脂肪細胞を活性化させる方法
では、褐色脂肪細胞を活性化させるための具体的な方法について解説します。
活性化には、環境・運動・食事の3つのアプローチがポイントになってきます。
環境→寒冷刺激を与える。
褐色脂肪細胞は先述したように体温調節に深い関わりがあります。つまり、褐色脂肪細胞が活性化するのは寒冷刺激が加わった時、つまり寒い環境にいる時です。
実際に、夏になると褐色脂肪細胞の活性は低下し、冬になると活性が増加することが分かっており、エネルギーの産生も寒い環境にいる方が高くなります。
そのため、冬になると寒くて動きたくないという方が多いと思いますが、実は冬の方が痩せるには適した時期だと言えるんです。
なので、寒くても家にこもりっぱなしになるのではなく、散歩に出かけたり、冬だからこそ外で運動してみると褐色脂肪細胞はどんどん活性化していくことができます。
運動→肩・肩甲骨周りのトレーニングを行う。
白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞は、身体の部位によって付きやすさが変わります。身体に蓄積する白色脂肪細胞は主に上腕・下腹部・太もも・お尻に多く、褐色脂肪細胞は肩・肩甲骨・首・脇などの部位に多いと言われています。
太ると二の腕がたるんだりお腹が出たりするのは、もしかするとこのような理由からかもしれません。
つまり、褐色脂肪細胞を活性化させるためには、特に上半身の肩甲骨を動かすトレーニングを行なうことがオススメです。
日頃からデスクワークが多いビジネスパーソンは、肩甲骨を動かさないため、どんどん猫背になり、肩こりなどの不定愁訴になりやすいです。それだけでなく、肩甲骨を動かさないと褐色脂肪細胞が活性化されずに、エネルギーを燃やすことができないので、やはり運動をすることも大事ですね。
食事:カテキン、カプシノイドを摂取する。
最後に食事面では、カテキン・カプシノイドなどの成分が有効であることが分かっています。
健常者を対象に代謝亢進作用を調べたところ、カプ シノイドを経口摂取することで褐色脂肪活性依存的にエネルギー消費量が上昇すること、慢性経口投与に より褐色脂肪組織を活性化・増量できることが明らかに なっています。(2)
また、健常者を対象にカテキンの熱産生効果と褐色脂肪活性を調べたところ,カテキンの経口摂取によりエネルギー消費量が上昇し,この熱産生作用が褐色脂肪活性と正相関すること、さらに慢性的なカテキンの摂取により、褐色脂肪熱産生能(CIT)が上昇することが明らかになっています。(3)
カテキンが多く含まれる食品は、緑茶・ココア・大豆などに含まれており、カプサイシンは唐辛子に特に多く含まれています。
そのため、食事からのアプローチであれば、緑茶や唐辛子料理を適度に取り入れることがオススメです。
年齢を重ねても、褐色脂肪細胞を活性化させることで、代謝を高めて太りにくい体質に繋がっていきますので是非ご参考ください。
参考文献
1)米代 武司 (2018)『褐色脂肪組織の熱産生とエネルギー代謝』
2)20)Snitker S, Fujishima Y, Shen H, Ott S, Pi-Sunyer X, Furuhata Y, Sato H, Takahashi M. Effects of novel capsinoid treatment on fatness and energy metabolism in humans: possible pharmacogenetic implications. Am J Clin Nutr 89: 45-50, 2009.
3)Yoneshiro T, Matsushita M, Hibi M, Tone H, Takeshita M, Yasunaga K, Katsuragi Y, Kameya T, Sugie H, Saito M. Tea catechin and caffeine activate brown adipose tissue and increase cold-induced thermogenic capacity in humans. Am J Clin Nutr 105: 873-881, 2017.
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夜に食欲が出てしまうワケとは?
2020年12月13日ファスティングライフスタイル食事夜に食欲が出てしまうワケとは?
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
皆さんは、夜になると食欲が湧いてくる、ということはありませんか?
近年は、夜間に食べてしまう「夜食症候群」というものも摂食障害の1つとして注目されてきています。
なので、今回はなぜ夜になると食欲が出てくるのか?そして、その対策方法について解説していきます。なぜ夜になると食欲が湧いてくるのか?
まず、そもそも何故夜になると食欲が湧いてくるのか?ということですが、これは意思の強さ・弱さではなく、身体に起こっている事に注目する必要があります。
その中でも関わりが深いのが、レプチンとグレリンと呼ばれるホルモンです。レプチンは脂肪細胞内で分泌されるホルモンで、体内で増えると脳は満腹感を感じ、カロリー摂取をやめてエネルギーを消費するように指令を出します。そのため「満腹ホルモン」とも呼ばれています。
一方で、グレリンは空腹になった胃腸で生成されて、体内で増えると食欲が増して、体内にエネルギーを蓄積しようと脂肪を蓄える働きをします。そのため「空腹ホルモン」と呼ばれます。つまり、私たちの脳はレプチンとグレリンによって「食べたい」「もう食べたくない」という反応を示すのであって、この2つのホルモンをいかにコントロールしていけるかが非常に大事になります。
しかし、肥満の男女32人を対象とした研究によると、半数以上の被験者が、レプチンは夜になると減っていく一方、グレリンは夕方に向けて増加していくということが分かりました。
つまり、夜に食欲が増えてしまうというのは、ホルモン分泌の特徴からきているもので、ある意味仕方がないことだと言えます。
また、ハーバード大学の研究によると、概日リズムが食欲調節に影響を与えることを示唆しており、空腹度は夜に最も高くなり、前日の夜間に食事をしなくても、朝に食欲は最も落ちることが分かっています。
これが夜に食欲が出てしまうという理論です。なので、単にその人の意思が強い・弱いのではなく、ホルモン分泌や概日リズムなどが関わっていることを理解することが大切です。
夜食を食べてしまう原因
ただ、夜にはほとんど食べないという方もいれば、やめたいけどどうしても食べてしまうという人もいます。その人たちの違いはどういったことなんでしょうか?
もちろん、個人差があるので一概には言えませんが、下記のような原因が考えられます。
1. 糖質・脂肪の多い食事をしている。
→脂肪や糖質は脳の報酬系を刺激して、満腹中枢を働かせるが、食べ過ぎるとレプチンが働きにくくなるレプチン抵抗性が起き、満腹感を感じにくくなります。加工食品を食べることが多い人は特に注意が必要です。
2. 夕食を食べる時間が遅い。(22時以降)
→夕食を食べる時間が遅いとレプチンが働きづらく、満腹感が得られにくくなります。その結果、夕食をとった後にも食べてしまう。
3. 職場や人間関係のストレスがある。
→ストレスが溜まると、精神的な満足感を得るために食べることでストレスを解消することがあります。アルコールやタバコなどの嗜好品にハマってしまうのも同じ原理です。
4. 慢性的な睡眠不足になっている。
→慢性的な睡眠不足は脳の機能を弱めて、グレリンやコルチゾールの分泌を高めます。その結果、夜食を食べてしまう行動に出てしまいます。
これらの原因は1つだけではなく、4つが組み合わさっている場合も考えられます。
そのため、今の自分に当てはまっているかどうかチェックしてみてください。夜食を防ぐための対策方法
もし夜食を食べてしまう人は、先ほどの原因を加味した上で、下記のような対策をしてみましょう。
・野菜、タンパク質を多めの食事にする。
・夕食の時間をなるべく20時までに済ませる。
・甘いものが食べたくなった時、脂っこいものが食べたくなった時の代替品を決めておく。
・温かい白湯やスープなどを飲む。
・ストレスを溜めないように、日頃から運動や趣味などのリラックスする時間を作る。
・睡眠は最低でも6時間は取るようにする。(早めに寝る)
これらを行うことで、夜に食べ過ぎてしまうことはかなり防ぐことができてくると思います。
まずはどれか1つから始めていき、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。また、もし食べ過ぎてしまった次の日などは「ファスティング」を取り入れることでうまく調整することができます。ファスティングについては別のブログでまとめていますので、ご興味がありましたらご参考くださいませ。
参考文献
(1)志内 哲也 (2011)『夜食症候群の病態生理学的メカニズムの解明』
(2)鈴木(堀田)眞理(2016)『摂食障害における栄養学の重要性』
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生活に潜む「果糖ブドウ糖液糖」に気をつけよう!
2020年12月12日ファスティングライフスタイル食事生活に潜む「果糖ブドウ糖液糖」に気をつけよう!
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
皆さんは、アイスクリームや清涼飲料水などをよく口にしていますか?
もしYESであるならば、知らないうちに「果糖ブドウ糖液糖」をどんどん体に取り込んでいるかもしれません。
そこで今回は、「果糖ブドウ糖液糖」について解説していきたいと思います。果糖ブドウ糖液糖とは?
私たちの食べるものには、果糖ブドウ糖液糖がたくさん含まれています。
その代表としては、清涼飲料水やアイスクリーム、ゼリー、ヨーグルト、菓子パン、タレなどが挙げられます。果糖ブドウ糖液糖とは、ブドウ糖液を酵素(グルコースなど)で果糖に異性化した甘味料の高いブドウ糖と果糖の混合液のことです。
果糖ブドウ糖液糖は砂糖と比べると安価なため大量生産しやすく、多くの加工食品に含まれています。
また、果糖ブドウ糖液糖の特徴としては、温度が低いほど甘味を強く感じるということです。
清涼飲料水やアイスクリームなどに使われているのは、こういった理由からです。果糖の摂りすぎによる健康上の問題
果糖を摂りすぎてしまうことは健康上の問題にも繋がります。
1つ目が中性脂肪の合成・分泌を促進させてしまうことです。果糖はブドウ糖よりも速く肝臓で代謝されるので、ブドウ糖と一緒に摂取すると、インスリンによって、脂肪合成が促進されます。その結果、肥満や高脂血症の原因になるリスクが高まります。
2つ目は、インスリン反応を阻害し、高コレステロール血症や高血圧など、メタボリックシンドロームになるリスクを高めると言われています。
普段から加工食品を食べることが多い方は、まだ病気になっていなくても将来的なリスクは高まりますので、少しずつでも控えていくと良いでしょう。
自然に近いものを選びましょう。
アイスクリームや甘いお菓子などはもちろん美味しいですし、食を楽しむ目的として摂ることは良いと思います。
ですが大事なことは、なるべく自然に近いものを選ぶということです。調理の手間はかかってしまいますが、自分の身体のための投資だと思って、是非自然に近い食品を積極的に取り入れていきましょう。
参考文献
(1). 県立広島人間文化学部紀要2,33-38(2007)『果糖は健康に良いのか、悪いのか?』
(2)岡崎邦夫(1995)『糖 質と健 康(2) 砂 糖,でんぷん糖』.
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脳機能を高めるためには「オメガ3系脂肪酸」を摂ろう!
2020年12月11日ライフスタイル食事脳機能を高めるためには「オメガ3系脂肪酸」を摂ろう!
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
最近になって、健康のために栄養を意識している方も多くなってきているように感じます。
そして、良い食事は「脳機能を高める」ということも分かっています。そこで今回は、脳機能を高める栄養について解説していきます。
脳はエネルギー消費の20%を占める
私たちの脳は、身体では小さい部位ですが、多くのエネルギーを必要としています。
基礎代謝はおおよそ、このような内訳です。
骨格筋 22%
肝臓 21%
脳 20%
心臓 9%
腎臓 8%
脂肪組織 4%
その他 16%
代謝を高めるためには筋肉をつける!ということは良く言われますが、実は脳も同じくらいのエネルギーを消費しているんです。
つまり、食事から摂った栄養によって、脳の働き方も変わってくるということが言えます。
脳に大事なのは「良質な脂質」
では具体的に、脳に大事な食事とはどういうものなのか?ということですが、
ポイントになってくるのは、脳が何で構成されているか?です。脳組織に含まれる水分(灰白質84%、白質71%、全脳では77%)を除いた固形成分中では、タンパク質38%〜44%を抜いて、実は脂質は51%〜54%と最も多いのです。
これらの脂質は、神経伝達細胞の構成成分として存在しています。ところが、脂質が不足すると神経伝達細胞も不足し、うまく情報が伝達されなくなってしまう可能性もあるんです。
「脂質の摂りすぎは様々な病気の原因になるので避けましょう」ということが良く言われますが、大切なのは「良質な脂質」を摂ることになります。
良質な脂質とは、オメガ3系脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸は脳の海馬や神経組織細胞に多く、摂取することで記憶力の向上や認知症の予防効果があるとことが分かっています。
なので、仕事の集中力をあげたい方や、身体の不調を改善したい方にとっては是非積極的に摂取していただくことがオススメです。
オメガ3系脂肪酸は、サバ・イワシ・サケなどの魚やカニ・ムール貝・牡蠣などの貝類、ナッツ・クルミなどの種子類、亜麻仁油などに多く含まれており、これらの食品を日頃から意識して摂っていくことで、脳への効果が期待できます。
脳に良くない食品について
一方で、脳に良くない食品についても少し話をしておきます。
脳に良くない食品は、一言で言うと「加工食品」です。ハンバーガーやフライドポテトなどのジャンクフード、アイスクリームやスナック菓子などの嗜好品、コンビニの弁当などの添加物が大量に含まれている食品など、これらは全て脳機能を低下させてしまう食品です。
もちろん、全て避けることは難しいですが、毎日コンビニやスーパーで買って食べているのであれば、脳に良くない食品を食べ続けており、身体の不調や病気になるリスクはかなり高くなります。
これらの食品は、「嗜好品」としてたまに食べるように心がけて、普段の食事はバランスを意識しながらオメガ3系脂肪酸の入った食品を取り入れていくことで、身体の調子はかなり整ってくると思いますので、是非実践してみてくださいね。