ゴブレットスクワットの効果と正しいフォーム|腰・膝が痛い人の安全な下半身トレーニング

「バーベルスクワットをすると腰や膝が痛くなる」「深くしゃがめない」
そんな悩みを持つ方にこそ試してほしいのがゴブレットスクワットです。
胸の前にダンベルやケトルベルを持つだけで、腰への負担を抑えながら前もも・お尻・体幹をしっかり鍛えられます。
本記事では、国家資格保持者が在籍するパーソナルジムビーユーの視点から、ゴブレットスクワットがどこに効くのか、安全に効かせる正しいフォーム、初心者に適切な重量設定までを解説します。
理学療法士として整形外科クリニックの勤務経験やスポーツ現場での指導経験を活かし、ボディメイク、不調改善を多方面からサポート。モーターコントロール(身体の使い方、動かし方、感覚)を重要と捉え、ただ激しいトレーニングをするのではなく、”自分の身体を理解しながら“トレーニング・ケアを提供する。
【保有資格】理学療法士、JATI-ATI、PHI Pilates MatⅠ/Ⅱ
東京・神奈川・埼玉に展開しているパーソナルジムビーユー。パーソナルトレーナーによるマンツーマンの整体&パーソナルトレーニングで、ボディメイク・ダイエット・姿勢改善・不調改善などのカラダの悩みを根本から改善し、なりたいからだを実現するサポートを行っている。
1. ゴブレットスクワットとは何か?

ゴブレットスクワットは、ダンベルやケトルベルを1つ、胸の前で両手で抱えるように持って行うスクワットです。「ゴブレット(goblet=脚付きの盃)」を両手で包み込む持ち方に似ていることから、この名前がつきました。
バーベルスクワットが肩や背中にバーを担ぐのに対し、ゴブレットスクワットは重りを体の前で保持するのが最大の特徴です。この持ち方の違いが、後述する「腰に優しい」というメリットを生み出します。
特別な器具がなくてもダンベル1つあれば自宅やジムで始められ、フォームを習得しやすいため、スクワットの基本を身につけたい初心者や、関節に不安のある中高年の方に向いた種目といえます。
⚠️ なお、すでに腰や膝に痛みがある方は、運動を始める前に整形外科などの医療機関にご相談ください(後述の注意点・免責事項を参照)。
2. ゴブレットスクワットの効果とメリット

どこに効く?主に使う部位
ゴブレットスクワットで鍛えられる主な筋肉(部位)は次のとおりです。
| 部位 | 主な筋肉 | はたらき |
|---|---|---|
| 前もも | 大腿四頭筋 | 膝を伸ばし、立ち上がる動作の主役 |
| お尻 | 大殿筋(臀筋群) | 股関節を伸ばし、力強く立ち上がる |
| 体幹 | 腹横筋・脊柱起立筋など | 上体を安定させ、姿勢を支える |
下半身の大きな筋肉と体幹を同時に使うため、効率よく全身の筋肉を刺激できるのがメリットです。
腰に負担をかけにくい「力学的」な理由
ゴブレットスクワットが腰に優しいのには、はっきりとした理由があります。
- カウンターウェイト効果:重りを体の前で持つことで、しゃがんだときに上体が前に倒れすぎるのを防ぎ、自然と背すじが起きた姿勢を保てます。
- 腹圧の高まり:胸の前で重さを支えようとすると体幹(お腹まわり)に力が入り、腹圧が高まって背骨が安定します。
この2つの働きにより、上体が起きたまま深くしゃがめるため、腰を丸めて負担をかけるリスクを減らせます。バーベルスクワットで腰や膝が痛くなりやすい方の「代替種目」として有効なのはこのためです。
腰痛は背景にさまざまな原因があり、自己判断は禁物とされています。痛みが続く・悪化する・脚のしびれを伴うといった場合は放置せず整形外科を受診してください(参考:日本整形外科学会「腰痛」)。重いものを不自然な姿勢で持ち上げると腰椎椎間板ヘルニアなどの一因にもなり得るため、フォームの確認は重要です(参考:日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」)。
期待できる主なメリット
- 股関節の可動域の向上:深くしゃがむ動作を繰り返すことで、股関節まわりの柔軟性アップが期待できます。
- 姿勢の改善:体幹を使って上体を起こす動作は、猫背になりがちな日常姿勢の見直しにもつながります。
- 下半身の筋力アップ:立つ・歩く・階段を上るといった日常動作の土台を強化できます。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人・高齢者ともに週2〜3日の筋力トレーニングが推奨されており、自重スクワットやダンベルを使ったトレーニングはその代表例として挙げられています(参考:厚生労働省 健康日本21「筋力トレーニングについて」)。
3. 初心者でもできるゴブレットスクワットの始め方(やり方)

基本のやり方
- 重りを構える:ダンベルまたはケトルベルを両手で胸の前に抱え、肘を体に近づける。
- スタンスをとる:足を肩幅〜やや広めに開き、つま先はわずかに外向き(15〜30度ほど)。
- しゃがむ:お尻を後ろに引きながら、背すじを伸ばしたまま股関節と膝を曲げて下ろす。
- 深さの目安:太ももが床と平行になるあたりまで。痛みや窮屈さが出ない範囲で止めてOK。
- 立ち上がる:かかとで床を押すイメージで、お尻を締めながらまっすぐ立ち上がる。
呼吸は「しゃがむときに吸う・立ち上がるときに吐く」が基本です。
適切な重量設定の目安
重量は「正しいフォームを最後まで保てる重さ」が大原則です。重すぎると上体が前に倒れ、腰に負担がかかってしまいます。
| 対象 | 最初の目安(ダンベル/ケトルベル) | 回数・セット |
|---|---|---|
| 運動初心者(女性) | 約4〜6kg | 10〜15回 × 2〜3セット |
| 運動初心者(男性) | 約8〜10kg | 10〜15回 × 2〜3セット |
これはあくまで目安です。厚生労働省も、負荷は**日常生活レベル以上から少しずつ高めていく「漸進性過負荷の原則」と、年齢や体力に合わせる「個別性の原則」**を重視しています(参考:厚生労働省 健康日本21「筋力トレーニングについて」)。まずは軽めから、フォームが安定してきたら少しずつ重量を上げましょう。
初心者が注意すべきポイント
- 毎日やらない:筋肉は休息日に回復します。週2〜3日を目安に、同じ部位は1〜2日空けましょう。
- 回数より質:疲れてフォームが崩れたら、回数を残してもセットを終える。
- 痛みが出たら中止:膝や腰に鋭い痛みが出たら無理をせず中止してください。
4. フォームの重要性と改善方法

ゴブレットスクワットの効果を引き出すか、ケガにつながるかはフォーム次第です。とくに次の3点をチェックしましょう。
- 膝とつま先の向きをそろえる:膝が内側に入る(ニーイン)と膝関節に負担がかかります。膝はつま先と同じ方向へ。
- 背中を丸めない:胸を張り、目線はやや前方。重りを胸の前で支える意識が背すじを起こす助けになります。
- かかと重心を保つ:つま先体重になると前のめりに。足裏全体、とくにかかとで踏む感覚を持ちます。
効果的なトレーニングのプランニング
フォーム習得期は「軽い重量 × 高めの回数」でパターンを体に覚えさせるのがおすすめです。
- 導入期(1〜2週):自重またはごく軽い重量でフォーム確認。
- 習得期(3〜4週):上記の目安重量で10〜15回×2〜3セット。
- 強化期(5週〜):フォームが崩れない範囲で少しずつ重量・セットを追加。
鏡で横から自分のフォームを確認する、スマホで動画を撮って見返すと改善が早まります。
5. ゴブレットスクワットを行う際の注意点

怪我を防ぐための基本的な注意事項
- ウォーミングアップを行う:股関節・足首を軽く動かしてから始める。
- 無理に深くしゃがまない:足首やお尻の硬さには個人差があります。しゃがめる深さは人それぞれで、丸まってまで深くする必要はありません。
- 持病・既往歴がある場合は事前相談を:膝の痛みが続く・水がたまるといった症状がある方は、変形性膝関節症などの可能性もあるため、自己判断せず医療機関へ(参考:日本整形外科学会「変形性膝関節症」)。
正しいフォームを維持するためのコツ
- ゆっくり下ろす:下ろす動作(2〜3秒)を丁寧に行うと、フォームが安定し効きも高まります。
- 体幹を締め続ける:1回ごとにお腹に軽く力を入れ、腹圧を保つ。
- 疲れたら止める勇気:フォームの乱れはケガの入り口。質を最優先に。
まとめ:腰・膝にやさしく、下半身を安全に強化
ゴブレットスクワットは、前もも・お尻・体幹に効き、重りを前で持つことで腰への負担を抑えながら深くしゃがめる種目です。股関節の可動域向上や姿勢改善も期待でき、バーベルスクワットで腰や膝が痛くなる方の代替として最適です。まずは軽い重量で正しいフォームを身につけ、少しずつステップアップしていきましょう。
次のステップ:股関節の使い方をさらに高める
ゴブレットスクワットで「股関節を使ってお尻で立ち上がる」感覚をつかめたら、次は爆発的に股関節を使う種目のデッドリフトやルーマニアンデッドリフトにも挑戦してみましょう。
【医療情報に関する注意】
本サイトの情報は正確性を期していますが、医師の診断に代わるものではありません。不調が続く場合は医療機関を受診してください。痛み・しびれ・腫れなどの症状がある場合は、運動を始める前に整形外科専門医にご相談ください。
【出典・参考】
厚生労働省 健康日本21(アクション支援システム)「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート:筋力トレーニングについて」
厚生労働省 健康日本21「推奨シート:成人版」
公益社団法人 日本整形外科学会「腰痛」
公益社団法人 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」
公益社団法人 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
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