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ベントオーバーロウの効く部位と正しいフォームをマスターしよう|腰を痛めず背中に効かせる

トレーニングボディメイク腰痛
ベントオーバーロー背中トレーニング

 

ベントオーバーロウは背中を鍛えるするための定番種目ですが、「どこに効いているか分からない」「背中ではなく腰ばかり疲れる・痛くなる」という悩みを抱える人がとても多い種目でもあります。

とくにデスクワークで背中が丸まりがちな方や中高年の方は、フォームのわずかなズレで腰に負担が集中してしまいがちです。

この記事では、ベントオーバーロウが本来どこに効く種目なのか、なぜ腰が痛くなるのか、そして腰を痛めず正しく背中に効かせるやり方とフォームを、ダンベルでの実践方法やグリップの違いまで含めて徹底解説します。

 

執筆者:青木 陸(鍼灸マッサージ指圧師)
青木トレーナー12年間のサッカー経験を活かし、筋力向上やボディメイク、機能改善を得意とするトレーナー。国家資格である鍼灸マッサージ指圧師の資格を持ち、大手フィットネスクラブでの指導経験を活かし、納得感のあるトレーニングを提供。すべての人が、思い切り楽しめる身体づくりをサポートする。
【保有資格】鍼灸マッサージ指圧師

 

監修:パーソナルジムビーユー
東京・神奈川・埼玉に展開しているパーソナルジムビーユー。パーソナルトレーナーによるマンツーマンの整体&パーソナルトレーニングで、ボディメイク・ダイエット・姿勢改善・不調改善などのカラダの悩みを根本から改善し、なりたいからだを実現するサポートを行っている。

 

ベントオーバーロウとは?

 

ベントオーバーロウ(bent over row)は、上体を前傾させた(bent over)姿勢で重りを引き上げる(row)背中のトレーニングです。

ダンベルやバーベルを使って行い、背中の筋肉を広く鍛えられることから、筋トレ初心者から中級者まで幅広く取り入れられています。

「ベントオーバーロー」と表記されることもありますが、同じ種目を指します。

 

この種目の核心は、実は「引く動作」そのものよりも前傾姿勢を最後まで崩さずに保つことにあります。

後述するように、背中を鍛える前段階として、下半身と体幹で姿勢を強固に固定できるかどうかが、効果と安全性の両方を左右します。

 

ベントオーバーロウの基本的なやり方

 

まずは全体像をつかむために、ダンベルを使った基本的なやり方を確認しましょう。詳しいフォームのコツは後の章で掘り下げます。

 

1.  足を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持つ。

2. 膝を軽く曲げ、お尻を後ろに引きながら股関節から上体を前に倒す(上体の角度は床から45~70度程度)。

3. 背すじはまっすぐ保ち、ダンベルを体の前に自然に垂らす。

4. 肩甲骨を寄せながら、ダンベルをおへそ~下腹部に向かって引き上げる。

5. 引き切ったら、背中の張りを感じながらゆっくり元に戻す。

 

動作中は腕の力で引くのではなく、肩甲骨を動かして背中で引く意識を持つことが、背中に効かせる最大のポイントです。

 

使用する筋肉の部位

 

ベントオーバーロウで主に使われる筋肉の部位は次のとおりです。背中だけでなく、姿勢を支える下半身や体幹も総動員される全身種目であることがわかります。

 

部位

主な筋肉

役割

背中(メイン)

広背筋

腕を後方・下方へ引き、背中の「広がり」をつくる

背中(上部)

僧帽筋・菱形筋

肩甲骨を寄せ、背中の「厚み」をつくる

上腕二頭筋・前腕

引く動作を補助する

体幹・腰

脊柱起立筋・腹筋群

前傾姿勢を固定し、背骨を守る

下半身

お尻・裏もも(ハムストリングス)

股関節を支点に姿勢の土台を安定させる

 

ベントオーバーロウが効く筋肉

 

 

背中の筋肉に与える効果

 

ベントオーバーロウが「どこに効く」のかを正しく理解することは、腰痛を防ぐうえでも欠かせません。本来この種目で最も効かせたいのは、背中の広背筋と、肩甲骨まわりの僧帽筋・菱形筋です。

 

① 広背筋:脇の下から腰にかけて広がる大きな筋肉。ここが働くと、いわゆる逆三角形の「背中の広がり」がつくられます。

② 僧帽筋・菱形筋:肩甲骨を内側に寄せる筋肉。ダンベルを引くときに肩甲骨を寄せることで、背中の「厚み」が鍛えられます。

 

一方で、「背中ではなく腰に効いてしまう・痛くなる」という人は、これらの背中の筋肉ではなく、姿勢を支える脊柱起立筋(腰の筋肉)だけが過剰に疲労している状態に陥っている可能性が高いと言えます。

次の章で、その原因と対処を詳しく見ていきます。

 

中重量で行うメリット

 

ベントオーバーロウは、軽すぎても重すぎても効果を出しにくい種目です。フォームを保ちながら10~12回をていねいにこなせる中重量で行うのが、背中に効かせるうえで合理的です。

 

◎ フォームを維持しやすい:重すぎる重量は前傾姿勢を崩し、腕や腰に頼った動作を招きます。中重量ならフォームを保ったまま背中を使い切れます。

◎ 背中で引く感覚をつかみやすい:コントロールできる重さだからこそ、肩甲骨を寄せる・広背筋を縮める感覚を意識しながら反復できます。

◎ 筋肥大・筋力向上に適した負荷:背中の筋肉をしっかり刺激でき、効率よく鍛えることにつながります。

 

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人・高齢者ともに週2~3日の筋力トレーニングが推奨されており、負荷は少しずつ高めていく「漸進性過負荷の原則」が重視されています(参考:厚生労働省 健康日本21「筋力トレーニングについて」)。

いきなり重い重量に挑むのではなく、フォームが安定する中重量から始めましょう。

 

なぜ「腰が痛い」のか? よくあるエラーの原因

 

 

「背中に効かせたいのに腰ばかり痛くなる」

これはベントオーバーロウで最も多い悩みのひとつです。原因の多くは、次の2つのフォームエラーに集約されます。

 

  •  腕の力だけで引こうとしている:肩甲骨を寄せずに腕だけで引くと、背中が使われず、姿勢を支える腰の筋肉ばかりが疲労します。
  •  骨盤が後傾して腰が丸まっている:裏ももが硬いなどの理由で骨盤を立てられないと、腰が丸まった「猫背前傾」になり、腰椎に負担が集中します。

 

つまりベントオーバーロウは、背中を鍛える前に、下半身(股関節のヒンジ動作)で前傾姿勢を強固に固定するための種目でもあるのです。土台となる姿勢が安定して初めて、背中の筋肉を安全に・正しく使えるようになります。

 

なお、腰痛は背景にさまざまな原因があり、自己判断は禁物とされています。

痛みが続く・悪化する、脚のしびれを伴うといった場合は放置せず整形外科を受診してください(参考:日本整形外科学会「腰痛」)。

重いものを不自然な姿勢で扱うことは腰椎椎間板ヘルニアなどの一因にもなり得るため、フォームの確認はとても重要です(参考:日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」)。

 

ダンベルを使ったベントオーバーロウのコツ

 

 

ダンベルは左右が独立しているため、バーベルよりも自然な軌道で引きやすく、背中の使い方を覚えるのに適しています。

ここでは正しいフォームを維持する方法と、効果を最大化するポイントを解説します。

 

正しいフォームを維持する方法

 

◯ 股関節から曲げる(ヒンジ):腰を丸めて前傾するのではなく、お尻を後ろに引いて股関節から上体を倒す。背すじはまっすぐ保ちます。

◯ 上体の角度を一定に保つ:引くたびに上体が起き上がると腰に頼った動作になります。設定した前傾角度を動作中ずっとキープします。

◯ おへそに向かって引く軌道:ダンベルを肩に向けて引くと僧帽筋上部に偏りがち。おへそ~下腹部へ向けて引くと広背筋に効きます。

◯ 肩甲骨を先に動かす:腕で引き始めず、まず肩甲骨を寄せてから腕がついてくる順番を意識します。

 

効果を最大化するためのポイント

 

◯ ゆっくり戻す(ネガティブ):引いた後、2~3秒かけてゆっくり下ろすと背中への刺激が高まります。

◯ 引き切りで1秒静止:トップで肩甲骨を寄せたまま一瞬止めると、背中の収縮を感じやすくなります。

◯ 呼吸を止めない:引くときに息を吐き、戻すときに吸う。腹圧を保ちつつ自然な呼吸を続けます。

 

ベントオーバーロウを取り入れる際の注意点

 

 

怪我を防ぐための注意事項

 

✔︎ ウォーミングアップを行う:股関節・肩甲骨まわりを軽く動かしてから始める。

✔︎ 軽い重量でフォームを固める:最初は軽めの重量で、股関節のヒンジと肩甲骨の動きを覚えることを優先します。

✔︎ 腰に痛みが出たら中止する:背中ではなく腰に鋭い痛みを感じたら、その場で中止しフォームを見直します。

✔︎ 肩や首のこり・痛みが続く場合:デスクワークによる肩こりなどは原因疾患が隠れていることもあります。症状が続く場合は整形外科に相談を(参考:日本整形外科学会「肩こり」)。

 

効果的なトレーニング計画の立て方

 

背中は大きな筋肉のため、回復にも時間がかかります。同じ部位は中1~2日空け、週2回程度を目安に組み込むとよいでしょう。

 

◯ 頻度:背中のトレーニングは週1~2回。全身を週2~3回鍛える中に組み込む。

◯ ボリューム:10~12回 × 3セットを基本に、フォームが安定したら重量を少しずつ上げる。

◯ 組み合わせ:胸や脚など他の大きな筋肉のトレーニングとバランスよく配分する。

 

ベントオーバーロウの姿勢とグリップの違い

 

 

効果的な姿勢とその重要性

 

ベントオーバーロウの効果は、上体の角度で大きく変わります。上体を深く倒す(床と平行に近い)ほど広背筋の下部や背中全体に効きやすく、角度を起こすほど僧帽筋上部寄りになります。いずれの角度でも共通して重要なのは、背すじをまっすぐ保ち、骨盤を立てて腰を丸めないことです。

 

正しいグリップの選び方

 

グリップ(手の握り方)によって、刺激の入り方や引きやすさが変わります。自分の目的や引きやすさに合わせて選びましょう。

グリップ

握り方(手の向き)

効きやすい部位・特徴

順手(オーバーハンド)

手の甲が前を向く

背中の上部・僧帽筋に効きやすく、厚みづくり向き

逆手(リバースグリップ)

手のひらが前を向く

広背筋下部に効きやすく、上腕二頭筋も使いやすい

パラレル(ニュートラル)

手のひらが向かい合う

手首や肩に負担が少なく、自然に引きやすい

 

順手と逆手のそれぞれの効果

 

① 順手(オーバーハンド):肩甲骨を寄せやすく、背中の上部や厚みを狙いたいときに向いています。

② 逆手(リバースグリップ):脇を締めて引きやすく、広背筋の下部を意識しやすいのが特徴。腕(上腕二頭筋)も関与しやすくなります。

 

どちらが優れているということはなく、狙いたい部位や引きやすさで使い分けるのがおすすめです。

 

ベントオーバーロウでよくある間違いとその解決法

 

 

フォームの崩れを防ぐためのポイント

 

よくある間違い

起きること

解決法

腕だけで引いている

背中に効かず腕ばかり疲れる

肩甲骨を先に寄せ、背中で引く意識を持つ

腰が丸まっている

腰に負担が集中し痛みの原因に

股関節から曲げ、背すじをまっすぐ保つ

重量が重すぎる

上体が起き上がり反動で引く

フォームを保てる中重量まで下げる

引くたびに体が起きる

腰の筋肉ばかり使う

上体の角度を一定にキープする

 

初心者に多い間違いと修正方法

 

初心者にとくに多いのが、「重い重量を扱おうとしてフォームが崩れる」パターンです。

まずは軽い重量でヒンジ動作と肩甲骨の動きを習得し、鏡で横から上体の角度を確認したり、スマホで動作を撮影して見返すと、フォームの崩れに早く気づけます。

背中に効いている感覚がつかめてから、少しずつ重量を上げていきましょう。

 

ベントオーバーロウを活用したトレーニングプログラムの例

 

 

週ごとのプログラム例

 

背中を週2回に分けて鍛える場合の一例です。フォーム習得を最優先に、無理のない範囲で行ってください。

 

曜日

メニュー例

ねらい

月曜(背中の日)

ベントオーバーロウ 中重量 10~12回×3セット

背中の厚み・広がりを刺激

木曜(背中の日)

ベントオーバーロウ やや軽め 12~15回×3セット

フォーム確認とボリューム確保

 

セットとレップの組み合わせ

 

◯ フォーム習得期:軽い重量で12~15回 × 2~3セット。動作パターンを体に覚えさせる。

◯ 筋力・筋肥大期:中重量で10~12回 × 3セット。フォームが崩れない範囲で漸進的に重量アップ。

◯ セット間の休憩:60~90秒を目安に。呼吸が整い、次のセットでフォームを保てる程度に。

 

デスクワーカーの猫背・巻き肩改善にも効果的

 

 

ベントオーバーロウで鍛えられる僧帽筋や菱形筋は、肩甲骨を内側に寄せる筋肉です。

デスクワークで長時間前かがみになっていると、これらの筋肉が弱り、背中が丸まった猫背や、肩が前に出る巻き肩になりやすくなります。

 

肩甲骨を寄せる動作を繰り返すベントオーバーロウは、こうした猫背・巻き肩の姿勢改善に役立ち、結果として肩や首まわりの負担軽減も期待できます。

デスクワーカーにこそ取り入れてほしい種目と言えるでしょう。

なお、肩や首のこり・痛みが続く場合は、原因疾患が隠れていることもあるため整形外科に相談してください(参考:日本整形外科学会「肩こり」)。

 

まとめ:ベントオーバーロウで理想的な体を手に入れよう

 

継続することの重要性とその効果

 

ベントオーバーロウは、広背筋や僧帽筋など背中の筋肉を広く・分厚く鍛えられる優れた種目です。

ただしその効果を引き出す鍵は、引く力ではなく前傾姿勢を崩さず、背中で引くフォームにあります。

腰が痛くなる人は、股関節のヒンジで姿勢を固定し、肩甲骨を寄せて引くことを意識するだけで、背中への効き方が大きく変わります。

正しいフォームで継続すれば、背中の強化だけでなく猫背・巻き肩の改善にもつながります。

 

実行に移すための最終チェックリスト

 

✔︎ 股関節から曲げ、背すじはまっすぐ(腰を丸めない)

✔︎ 上体の角度を動作中ずっと一定に保つ

✔︎ 腕ではなく肩甲骨を寄せて、おへそに向かって引く

✔︎ フォームを保てる中重量を選ぶ

✔︎ 腰に痛みが出たらすぐ中止し、フォームを見直す

 

免責事項(医療情報ガイドラインに準拠)

 

本サイトの情報は正確性を期していますが、医師の診断に代わるものではありません。不調が続く場合は医療機関を受診してください。痛み・しびれ・腫れなどの症状がある場合は、運動を始める前に整形外科専門医にご相談ください。

 

出典・参考(外部リンク)

 

 

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