野菜350gは本当に必要なの!?
本日は、
世間で良く言われている
「野菜は1日に350g以上摂りましょう!」
ということに対して、
350gの根拠はどこにあるのか?
なぜ350gに設定したのか?
本当に350g摂らなきゃいけないのか?
という視点から、詳しく解説をしていきたいと思います!
(今回は佐々木敏先生の『データ栄養学のすすめ』という書籍を参考にさせていただきました。)
野菜を摂る目的
まず、
皆さんが野菜を食べる理由は何でしょうか?
人それぞれ、野菜を食べる目的は異なると思いますので、一度整理してみましょう。
野菜を摂る目的
- 体重を減らしたい
- 便通を改善したい
- 若さや美しさを保ちたい
- 健康になりたい
- 生活習慣病を改善したい
- なんとなく大事だから
など、
その人の置かれている立場や身体の健康状態によって、
野菜を摂る目的は変わってくると思います。
では野菜を摂取することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
そのポイントについてまとめていきます。
野菜を摂るメリット
- ビタミンやミネラルなどのミクロ栄養素を摂ることができる。
- 食物繊維を摂取することができ、生活習慣病や便通の改善に繋がる。
- 腹持ちが良くなり空腹による食べ過ぎを防止できるため、体型を保てる。
- 食後血糖値の上昇を防ぎ、栄養の吸収が抑えられる。
上記が野菜を摂る主なメリットです。
野菜350gの根拠はどこにあるのか?
次に本題の野菜350グラムについて話します。
「野菜を350グラム摂りましょう」というキャッチコピーは、
厚生労働省が提唱する「健康日本21」で目標値として定められている摂取量からきています。
では何故野菜を350g摂る必要があるのでしょうか?
健康21では以下のように述べています。
カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンなどの摂取は、循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられているが、特定の成分を強化した食品に依存するのではなく、基本的には通常の食事として摂取することが望ましい。これらの摂取量と食品摂取量との関連を分析すると、野菜の摂取が寄与する割合が高く、前述の栄養素の適量摂取には、野菜350~400gの摂取が必要と推定されることから、平均350g以上を目標とする。
つまり、
カリウム・食物繊維・抗酸化ビタミンなどの栄養素を適量摂取するためには、
野菜を350〜400グラム摂ることが必要なため、野菜350グラムの摂取を推奨している。
ということになります。
しかし、よく考えると
カリウム・食物繊維・抗酸化ビタミンなどの栄養素は
他の食べ物(フルーツなど)でも補えるのではないか?
という疑問が出てきます。
佐々木(2018)によると、
食べ物の健康効果を考える際、欧米では
野菜+果物(フルーツ&ベジタブル)
といって、野菜と果物を一緒に考えると示しています。
また、日本は欧米諸国(ヨーロッパ8カ国)と比べると、
野菜の摂取量が最も多く、
果物の摂取量が最も少ない
というデータが出ています。
ヨーロッパ諸国は果物と野菜の平均摂取量が
ほぼ同じくらいか果物の方が多いのです。
一方で日本は、果物の摂取量が野菜のおよそ1/3ほどというデータも出ています。
では何故日本では野菜だけがすすめられるのでしょうか?
野菜350gはキャッチコピー
何故日本では野菜だけがすすめられるのでしょうか?
佐々木氏によると、
野菜350gはあくまでキャッチコピーである
ということを主張しています。
前述したように、
欧米諸国では「フルーツ&ベジタブル」で考えています。
そのため、世界のコンセンサスとしては、
野菜と果物を合わせて1日におよそ400gです。
しかし、
日本が野菜だけにフォーカスすることは
- 現実的に野菜の方が安価である
- 日本人は果物を間食で食べる習慣がある
などの日本の背景を考えた上で、より親しみやすい野菜にフォーカスしたのではないか
と佐々木氏は述べています。
つまり、「野菜を350g摂ろう」というのはあくまでキャッチコピーであり、
「350g」という数値はそこまで重要ではない
ということが言えます。
このことから、
野菜の摂取量が少ない人に向けて、
「もっと食べましょう」
ということをメッセージとして伝えるために
「350g」というイメージキャラクターを出し、より多くの人に関心を持ってもらえるようにしたということが本当の狙いであったと推測することができます。
情報を鵜呑みにせず、自ら考える。
今回は「野菜350gは本当に必要なのか?」ということについて解説をしていきました。
野菜を摂取することは多くのメリットがあり、健康やボディメイクのためにはとても大切なことです。
しかし、「野菜350gを摂る」はあくまでキャッチコピーであり、世界のコンセンサスは「果物と野菜の合計で400g」となっています。
「350g」という言葉を鵜呑みにして、こだわっていくのではなく、野菜の摂取が少ない人はできるだけ増やしていくという姿勢が大切になります。
情報が多い今の社会だからこそ、自分で考えて食べ物を選択していけるようになっていきましょう!
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
参考文献
佐々木敏 (2018)『データ栄養学のすすめ』. 女子栄養大学出版部.p25-p35
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