膝内側の痛み「鵞足炎」について
ランニングを繰り返し行っていたり、普段歩いているときに突然膝の違和感や痛みにおそわれるケースは少なくありません。
その中でも今回は、膝の内側の痛みで多い「鵞足炎」について詳しく解説をしていきます。
鵞足とは、膝から5〜7cmほど下がったすねの内側にあり、3つの筋肉(半腱様筋・縫工筋・薄筋)が集まって付着している部分のことを指します。鵞足炎は、膝の曲げ伸ばしで鵞足部の筋腱が擦れあい、炎症が起きる症状です。
初期は膝内側に違和感がありますが、徐々に痛みが強くなったり、腫れや熱感などが現れます。
鵞足を構成している3つの筋肉は、前・横・後ろの方向から付着しているため、どれか1つの筋肉が悪ければ痛みが出ることが特徴です。
鵞足炎になると、主に下記のような症状があらわれます。
ただし、膝内側の痛みは内側半月板の損傷や変形性膝関節症の可能性もあるため、痛みが強い場合は整形外科で診断をもらうことをお勧めします。
鵞足炎の原因は「使いすぎ」であることがほとんどです。
ただ、使いすぎの中でも、トレーニング量が多く疲労回復が追いついていない「使いすぎ」と、身体の使い方や姿勢に問題があり負担が集中している「使いすぎ」の2種類があります。疲労回復が追いついていないケースは、休息を取ることで痛みが改善されることが多いため、今回は鵞足炎になりやすい身体の使い方や姿勢の問題について、具体的に解説をしていきます。
①X脚・O脚などの姿勢不良
X脚・O脚などの不良姿勢は、鵞足炎を起こす最も多い原因の1つです。X脚では、膝の内側に引き伸ばされるストレスがかかり、O脚では膝の内側がつぶされるストレスがかかります。鵞足炎はX脚傾向の方が多いですが、不良姿勢を改善することが鵞足炎の根本改善に繋がります。
②元々膝に疾患がある
前十字靭帯損傷や半月板損傷、変形性膝関節症など、元々膝に疾患がある人は鵞足炎のリスクが高まります。なぜなら、先述した姿勢不良になりやすかったり、膝の可動域制限があることで膝周囲の筋肉に負担がかかっているからです。
③動きの中で膝がブレる
膝関節は基本的に曲げ伸ばし(屈曲と伸展)を行う関節ですが、歩行中やランニング時に膝が左右にブレやすいと、膝にねじれのストレスが生じて鵞足炎になるリスクが高くなります。特に「ニーイン」と呼ばれる動作中に膝が内側に入る傾向がある人は要注意です。
④筋の柔軟性不足
鵞足炎は3つの筋肉の付着部になるため、これらの筋肉の柔軟性が低下することで、こすれ合いが起こり痛みが生じやすくなります。準備運動をしないで運動を行ったり、ストレッチの習慣がない方は鵞足炎のリスクを高めてしまうため注意が必要です。
◯急性期の場合
膝が痛いなと思ったら、まずは急性期の処置をして早期に病院を受診することをお勧めします。
・冷却療法(冷やす)
膝に腫れや赤み・痛みなどの炎症が出ているときはアイシングによって炎症を抑えることが最優先になります。膝のアイシングはアイスパックを使ったり、袋に氷を入れて冷やしましょう。
膝に固定をしたら、15〜20分間冷やします。また、炎症が出ているときは無理に動かさずに安静にすることで炎症を早期に抑えることが大切です。
◯慢性期の場合
・温熱療法(温める)
腫れなどの炎症がおさまったら積極的に温めることがポイントです。
膝周りの筋肉や腱は温めることで柔軟性が増しますので、お風呂にゆっくり浸かったり、ホットパックの治療を受けることをお勧めします。
・運動療法(運動)
炎症がなければ痛みのない範囲で徐々に動かしていきます。痛みが解消したと思って動かずに放置していると、膝の痛みの再発や慢性化のリスクが高まるため、積極的に運動をすることで機能回復を行います。
鵞足炎の予防・改善にお勧めのトレーニングとストレッチをご紹介します。
運動の際は必ず痛みのない範囲で行うようにしてください。
①もも前側(縫工筋)のストレッチ
ももの前側のストレッチになります。
主に大腿四頭筋がストレッチされますが、鵞足炎の問題になる縫工筋も伸ばすことができます。
膝の痛みがある方は、曲げられる範囲で行ってください。
②もも裏(ハムストリング)のストレッチ
もも裏(ハムストリング)のストレッチになります。
鵞足炎の原因の1つの半腱様筋を伸ばすことができます。より効果的に伸ばすには、つま先を内側に向けて行ってみてください。また、膝を伸ばすと薄筋のストレッチにもなるため、膝を伸ばして行うのも余裕がある方は行ってください。
③お尻(大臀筋)のストレッチ
お尻(大臀筋)のストレッチになります。
大臀筋は、ハムストリングと隣り合う筋肉のため、柔軟性が低下するとハムストリングの柔軟性にも影響します。
④股関節前側(腸腰筋)のストレッチ
股関節前側(腸腰筋)のストレッチになります。
鵞足炎の原因の1つの縫工筋も同じ姿勢で伸ばすことができます。後ろ足の位置をクロスすることでより縫工筋にストレッチがかかります。
⑤お尻(大臀筋)のトレーニング
お尻(大臀筋)のトレーニングになります。
O脚やX脚などの姿勢不良の多くは、お尻の筋肉が使えていないことから起こることが多いため、根本改善のためにはお尻を鍛えることがポイントです。
⑥お尻(中臀筋)のトレーニング
お尻(中臀筋)のトレーニングになります。
中臀筋は骨盤に付いているお尻側面の筋肉で、この筋肉が弱化することで膝のねじれやぶれが起こりやすくなります。
運動時に痛みが出る方は特にこの部分の強化を行ってください。
⑦お尻(大臀筋)のトレーニング
お尻(大臀筋)のトレーニングになります。
ただのスクワットではなく足幅を広げたワイドスタンスにすることで、股関節の可動域を高めることができます。
今回は鵞足炎について詳しく解説しました。
鵞足炎は使いすぎが原因ですが、予防・改善のためには姿勢不良や体の使い方を正すことがポイントになります。
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