骨盤のゆがみを解消する方法
皆さん、こんにちは。パーソナルジムBeU田町店代表の高正です。
突然ですが、こんなことを言われた経験はありませんか?
「骨盤が歪んでいますね」「骨盤が歪んでいるので、腰痛になっていますね」
今まで整体やマッサージを受けにいったことがあれば、かなりの確率でこの『骨盤の歪み』を指摘されます。
ですが、歪みを整えてもらっても1週間しないうちに腰痛・肩こり、その他の身体の不調が再発することがほとんどなんです。せっかくお金と時間をかけたのに、それではすごくもったいないですよね。
なので今回は、そんな身体の悩みを抱える方に、骨盤が歪む原因と、その改善方法について解説していきます!
今回の話をしていくにあたり、まず骨盤とは何か?を理解しておかなければいけません。
骨盤とは、仙骨・腸骨・坐骨・恥骨・尾骨という骨が合わさったものを指します。
それぞれの部位と名称は下図のとおりです。
そして、腸骨と仙骨からなる関節のことを『仙腸関節』、恥骨のつなぎ目の部分は『恥骨結合』と呼びます。
仙腸関節は1〜2mm程度しか動かない関節ですが、動きが悪くなると骨盤の歪みの原因になることが多いです。
また、恥骨結合は妊娠中や出産のときに赤ちゃんが産まれやすくするために緩みます。
産後腰痛は、この恥骨結合が緩み、骨盤の歪みが生じることが原因になっています。
骨盤に関与する関節は、恥骨結合と左右の仙腸関節を合わせた3つが主であり、 この関節が緩みすぎたり、動きが悪くなることで歪みの原因になることが、1つのポイントになります。
骨盤の歪みについて、一番言われているのが多いのが 骨盤の前傾と後傾 です。
簡単にいうと、お尻がプリッと上がった状態が前傾、下に落ちているのが後傾になります。
そして、この前傾と後傾は、左右それぞれが異なった動きができるようになっています。
どういうことかというと、
- 右の骨盤が前傾していて、左の骨盤が後傾している。
- 右の骨盤が前傾していて、左の骨盤がもっと前傾(過前傾)している。
という形で、左右に差が生じ、それがいわゆる『歪み』に繋がるということです。
ちなみに、 99.9%の人は骨盤の歪みがあるので、骨盤が歪んでいる=悪という訳ではありません。
あなたの骨盤は左右で前傾しているのか、後傾しているのか、左右差を踏まえることで、あなたの身体にあった対策ができるということです。
骨盤が前傾することで、骨盤まわりの筋の長さや力は下記のように変化します。
●短縮する筋肉
股関節前面の筋群(腸腰筋・大腿直筋・内転筋・大腿筋膜張筋など)
背部の筋群(脊柱起立筋・多裂筋など)
●弱化する筋肉
股関節後面の筋群(大臀筋・ハムストリング・梨状筋など)
腹筋群(腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋)
『短縮』というのは、筋肉が硬くなり筋の長さが短くなっている状態です。また、『弱化』は字のとおり、筋肉が弱くなっている状態です。
要するに、短縮している股関節前面や背部の筋群をマッサージやストレッチによって緩め、弱化している股関節の後面や腹筋群をトレーニングによって鍛えることで、骨盤の前傾の改善に繋がってきます。
●短縮する筋肉
股関節後面の筋群(大臀筋・ハムストリング・梨状筋など)
腹筋群(腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋)
●弱化する筋肉
股関節前面の筋群(腸腰筋・大腿直筋・内転筋・大腿筋膜張筋など)
背部の筋群(脊柱起立筋・多裂筋など)
後傾の場合は前傾と全く逆の働きになっていることがわかります。
つまり、短縮している股関節後面や腹筋群をマッサージやストレッチによって緩め、弱化している股関節の前面や背部の筋群をトレーニングによって鍛えることで、骨盤後傾が改善されることになります。
骨盤の前傾・後傾によって短縮する、ないしは弱化する筋肉があることを先述しましたが、このパターンに当てはまらない方もいらっしゃいます。
どういうことかというと、
筋肉が短縮している=硬くなっているのではなく、
筋肉が短縮している=筋肉が弱くて緩んでいる とパターンです。
少し分かりづらいので、例えを使って説明します。
例えば、高齢者の方の姿勢をイメージしてください。
腰から背中が丸まって、膝が曲がっており、骨盤が後傾しているこのような姿勢をイメージすると思います。
では、先ほどのパターンに当てはめると、骨盤の後傾=大臀筋やハムストリングなどの股関節後面の筋群が硬いということになりますが、高齢者の方のお尻の筋肉が硬くなって、引っ張っているでしょうか?
答えはNOで、 筋肉がぷにぷにでたるんでいる状態になっているんです。
なので、 骨盤が後傾している→お尻やハムが強くて引っ張っていることが全てではない ということも理解しておくことが重要です。
あなたの骨盤が前傾しているのか、後傾しているのかは2つのランドマークによって判別することができます。
その2つのランドマークとは、 上前腸骨棘(ASIS)と下前腸骨棘(PSIS) です。
この言葉は覚える必要はなく、どこについているか?が重要です。
上前腸骨棘はいわゆる『腰骨』のことで、前ならえをすると指で触ることができます。
一方で下前腸骨棘はベルトやズボンの下に手を入れると、触ることができる出っ張っている骨のことです。
そして、骨盤の前傾・後傾は、上前腸骨棘と下前腸骨棘を結んだ位置で判断します。
そのため、基本的にはトレーナーや誰かにやってもらい、骨盤の前後傾を判断していきます。
自分の骨盤が左右で前傾しているのか、後傾しているのかが分かったら、それに併せて対処を行っていきます。
骨盤が前傾している場合、先述した関与する筋肉をもとに対策を行います。
●短縮する筋肉
股関節前面の筋群(腸腰筋・大腿直筋・内転筋・大腿筋膜張筋など)
背部の筋群(脊柱起立筋・多裂筋など)
→これらの筋群に対して、ストレッチやリリースを実施し、筋の緊張を和らげます。
●代表的なストレッチ
①大腿直筋のストレッチ
②腸腰筋ストレッチ
●弱化する筋肉
股関節後面の筋群(大臀筋・ハムストリング・梨状筋など)
腹筋群(腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋)
→これらの筋群に対して、エクササイズ、トレーニングを実施します。
●代表的なエクササイズ
①ヒップリフト:大臀筋のトレーニング
②プランク:腹筋群のトレーニング
③アブダクション:中殿筋のトレーニング
骨盤が後傾している場合の対策方法は下記のとおりです。
●短縮する筋肉
股関節後面の筋群(大臀筋・ハムストリング・梨状筋など)
腹筋群(腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋)
→これらの筋群に対して、ストレッチ・リリースを実施します。
●代表的なストレッチ
①大臀筋のストレッチ
②ハムストリングストレッチ
●弱化する筋肉
股関節前面の筋群(腸腰筋・大腿直筋・内転筋・大腿筋膜張筋など)
背部の筋群(脊柱起立筋・多裂筋など)
→これらの筋群に対して、エクササイズ・トレーニングを実施します。
●代表的なエクササイズ
①内転筋群のトレーニング
②背筋群のトレーニング(コブラ)
骨盤は上半身と下半身をつなぐ大事な骨で、骨盤の歪みが起こると姿勢不良・肩こり・腰痛・むくみなどの不調が起こりやすくなります。そのため、専門家の指導のもとで、身体の歪み・左右差を考慮した、運動を行っていくことが効率的な解決になります。
是非ご自身の骨盤の状態にあった、対策を行っていきましょう!
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