夜に食欲が出てしまうワケとは?
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こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
皆さんは、夜になると食欲が湧いてくる、ということはありませんか?
近年は、夜間に食べてしまう「夜食症候群」というものも摂食障害の1つとして注目されてきています。
なので、今回はなぜ夜になると食欲が出てくるのか?そして、その対策方法について解説していきます。
なぜ夜になると食欲が湧いてくるのか?
まず、そもそも何故夜になると食欲が湧いてくるのか?ということですが、これは意思の強さ・弱さではなく、身体に起こっている事に注目する必要があります。
その中でも関わりが深いのが、レプチンとグレリンと呼ばれるホルモンです。
レプチンは脂肪細胞内で分泌されるホルモンで、体内で増えると脳は満腹感を感じ、カロリー摂取をやめてエネルギーを消費するように指令を出します。そのため「満腹ホルモン」とも呼ばれています。
一方で、グレリンは空腹になった胃腸で生成されて、体内で増えると食欲が増して、体内にエネルギーを蓄積しようと脂肪を蓄える働きをします。そのため「空腹ホルモン」と呼ばれます。
つまり、私たちの脳はレプチンとグレリンによって「食べたい」「もう食べたくない」という反応を示すのであって、この2つのホルモンをいかにコントロールしていけるかが非常に大事になります。
しかし、肥満の男女32人を対象とした研究によると、半数以上の被験者が、レプチンは夜になると減っていく一方、グレリンは夕方に向けて増加していくということが分かりました。
つまり、夜に食欲が増えてしまうというのは、ホルモン分泌の特徴からきているもので、ある意味仕方がないことだと言えます。
また、ハーバード大学の研究によると、概日リズムが食欲調節に影響を与えることを示唆しており、空腹度は夜に最も高くなり、前日の夜間に食事をしなくても、朝に食欲は最も落ちることが分かっています。
これが夜に食欲が出てしまうという理論です。なので、単にその人の意思が強い・弱いのではなく、ホルモン分泌や概日リズムなどが関わっていることを理解することが大切です。
夜食を食べてしまう原因
ただ、夜にはほとんど食べないという方もいれば、やめたいけどどうしても食べてしまうという人もいます。その人たちの違いはどういったことなんでしょうか?
もちろん、個人差があるので一概には言えませんが、下記のような原因が考えられます。
1. 糖質・脂肪の多い食事をしている。 →脂肪や糖質は脳の報酬系を刺激して、満腹中枢を働かせるが、食べ過ぎるとレプチンが働きにくくなるレプチン抵抗性が起き、満腹感を感じにくくなります。加工食品を食べることが多い人は特に注意が必要です。 2. 夕食を食べる時間が遅い。(22時以降) →夕食を食べる時間が遅いとレプチンが働きづらく、満腹感が得られにくくなります。その結果、夕食をとった後にも食べてしまう。 3. 職場や人間関係のストレスがある。 →ストレスが溜まると、精神的な満足感を得るために食べることでストレスを解消することがあります。アルコールやタバコなどの嗜好品にハマってしまうのも同じ原理です。 4. 慢性的な睡眠不足になっている。 →慢性的な睡眠不足は脳の機能を弱めて、グレリンやコルチゾールの分泌を高めます。その結果、夜食を食べてしまう行動に出てしまいます。
これらの原因は1つだけではなく、4つが組み合わさっている場合も考えられます。
そのため、今の自分に当てはまっているかどうかチェックしてみてください。
夜食を防ぐための対策方法
もし夜食を食べてしまう人は、先ほどの原因を加味した上で、下記のような対策をしてみましょう。
・野菜、タンパク質を多めの食事にする。 ・夕食の時間をなるべく20時までに済ませる。 ・甘いものが食べたくなった時、脂っこいものが食べたくなった時の代替品を決めておく。 ・温かい白湯やスープなどを飲む。 ・ストレスを溜めないように、日頃から運動や趣味などのリラックスする時間を作る。 ・睡眠は最低でも6時間は取るようにする。(早めに寝る)
これらを行うことで、夜に食べ過ぎてしまうことはかなり防ぐことができてくると思います。
まずはどれか1つから始めていき、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
また、もし食べ過ぎてしまった次の日などは「ファスティング」を取り入れることでうまく調整することができます。ファスティングについては別のブログでまとめていますので、ご興味がありましたらご参考くださいませ。
参考文献
(1)志内 哲也 (2011)『夜食症候群の病態生理学的メカニズムの解明』
(2)鈴木(堀田)眞理(2016)『摂食障害における栄養学の重要性』
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