腰を反ると痛い『椎間関節性腰痛』の原因と対処法
今回は、腰痛を抱えている方の中でも「腰を反る痛い」というケースに対して考えられる原因と対策方法を解説していきます。
なお、ヘルニアや腰椎分離症などの病態がなく、はっきりとした原因が分かっていない腰痛は「非特異的腰痛」と呼ばれており、今回は腰を反ると痛い非特異的腰痛の一例になります。
そのため、腰痛がひどい場合は一度病院を受診してヘルニアや腰椎分離症などではないかを確認してください。
反ると腰が痛む腰痛の中で、原因として挙げられる1つが「椎間関節性腰痛」です。
背骨(脊椎)1つ1つには椎間関節と呼ばれる関節があり、それによって背骨が安定して動くことができるようになっています。
(赤丸の部分が椎間関節になります)
椎間関節の特徴としては、背骨を丸めると関節が開き、背骨を反ると関節が狭まります。
そのため、腰を反ると椎間関節が狭まりぶつかることで痛みを発することが多いです。
また、椎間関節はその場所によって動く範囲が変わる特徴を持ちます。
下図は背骨(頚椎・胸椎・腰椎)がどのくらい曲げられて(屈曲)、伸ばせるか(伸展)の可動域を示した図です。
図の赤枠部分が腰部の関節の可動域になります。
これを見ると、他の部位に比べて腰部の可動域は大きいことが分かります。
しかし、反ると痛い椎間関節性腰痛の場合、この可動域を超えて椎間関節が動きすぎていることが問題になります。
この関節が動きすぎている状態のことは「ハイパーモビリティー」と呼ばれており、そのため、ハイパーモビリティーを防ぐように対策をすることがポイントになります。
では、椎間関節性腰痛の原因が関節の動きすぎによるものであるなら、なぜ動きすぎが起こるのでしょうか?
それは他の関節の動きが悪くなり、腰の関節で代償してしまっていることが考えられます。
例えば、ある仕事のプロジェクトを3人で行っているときに、2人が病欠になったとします。
その場合当然ですが、残された1人が2人の分まで仕事をしなければいけなくなります。
その状態が1ヶ月以上続けば、身体を壊す可能性はかなり高くなってしまいます。
これと同じ状態が腰に起きているということです。
腰と特に深く関わっているのが前後の関節である「胸椎」と「股関節」です。
つまり、胸椎と股関節の動きが悪くなることで腰が過度に働き、結果的に腰の痛みに繋がっていることが考えられます。
反ると痛い椎間関節性腰痛だけではなく痛み改善において大事なポイントは、「痛みが出ているところ以外に根本の原因がある」ということです。
腰が痛いから腰をマッサージするという考えだと、その場は良くなっても根本の原因が分かっていないので腰が痛い状態を繰り返してしまいます。
トレーニングとストレッチ
反ると痛い腰痛を改善するためのトレーニングとストレッチをご紹介します。
運動の際は必ず無理のない範囲で行うようにしてください。
①腸腰筋のストレッチ
腸腰筋は腰の関節から股関節までついている筋肉で、主に股関節を折り曲げるときに働きます。
この筋肉が緊張すると腰を反る時に制限がかかり、腰部に負担がかかりやすくなります。
②大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋は骨盤から膝までついている筋肉で、主に股関節を折り曲げるとき、膝を伸ばす時に働きます。
腸腰筋と同様、この筋肉が緊張すると腰を反る時に制限がかかり腰部に負担がかかりやすくなります。
③ヒップリフト
お尻(大臀筋)のエクササイズです。
大臀筋は股関節を伸ばす働きをする筋肉のため、腰を反る時に正しく使えるようにすることで腰の負担を和らげることができます。
④キャットバック
主に胸椎の動きを良くするストレッチになります。
腰が反ると痛い場合、胸椎を反る(伸展)の動きが固まっている可能性が高いです。
そのため、しっかりと動かしましょう。
⑤ソラシックローテーション
主に胸椎の動きを良くするストレッチになります。
この種目は胸椎の回旋を行っていますが、回旋の動きが良くなることで先述した胸椎を反る(伸展)の動きも高めることができます。
⑥リブストレッチ
胸椎および肋骨のストレッチです。
肋骨周りが硬くなることで背骨も硬くなるためしっかりと伸ばしましょう。
⑦コブラ
肩甲骨のトレーニングです。
胸椎の動きを良くするためには隣接している肩甲骨の動きを良くすることがポイントです。
腰に力が入らない範囲で肩甲骨をしっかり寄せるようにしてみてください。
⑤オーバーヘッドリーチ
腰を反ると痛い腰痛の場合、体幹の筋力低下が原因のこともあります。
こちらの種目は体幹の筋肉を活性化するトレーニングです。
⑥デッドバグ
腰を反ると痛い腰痛の場合、体幹の筋力低下が原因のこともあります。
こちらの種目も体幹の筋肉を活性化するトレーニングです。
今回は反ると痛い腰痛の中でも「椎間関節性腰痛」について、詳しく解説をしました。
腰を反ると椎間関節が狭くなり、ぶつかることによって痛みが出ることが多いです。
ただし、椎間関節が動きすぎている根本原因にアプローチをしなければ、改善することは難しいのでまずは専門家に診てもらうことをお勧めします。
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