「牛乳は身体に良い」は本当?
こんにちは。パーソナルトレーナーの高正です。
突然ですが、皆さんは牛乳が好きですか?
私は学生の頃から、「身長を伸ばしたい!」という一心で毎日2杯以上の牛乳を飲んでいました。
しかし、今となっては牛乳を買って飲むことはなくなりました。
なぜかというと、「牛乳は健康に良い」ということが思い込みだということを知ったからです。
今でも学校では給食に牛乳が出ていますし、骨を強くしたいという思いで毎日牛乳を飲んでいる高齢の方もいらっしゃいます。
ですが、ひょっとすると乳製品の摂取によって、気付かないうちに身体の不調や病気を招いているかもしれません。
なので、本日のテーマは、「『牛乳は身体に良い』は本当?」
ということでお話していこうと思います。
「牛乳はカラダに良い」は思い込みである。
冒頭にも触れたように、「牛乳はカラダに良い」というのは、私たちが子どもの頃から教えられてきていますが、科学的根拠は存在していません。
牛乳を飲むことによって、「背が伸びる」「骨が丈夫になる」「栄養豊富で健康にいい」というメリットが言われますが、実は根拠がないものだったんです。
なぜ「牛乳はカラダに良い」というのが思い込みなのか?ということを解説していきますね。
牛乳と母乳は組成が全く異なる。
ヒトの赤ちゃんは生まれてから母乳を飲むのと同じように、子牛も出生後に牛乳を飲みます。
しかし、牛とヒトの乳は組成や目的が全く異なるものです。
まず牛乳は、子牛をさらに成長させていくためにIGF-1(インスリン様成長因子)を誘導する「カゼイン」が主体となっています。
一方で、ヒトの母乳は「ホエイ」が主体となっており、免疫を高めて感染症を防ぐ、腸を修復させることが目的になります。
牛が子牛を育てるために作られるのが牛乳であり、ヒトに対して作られているものではありませんので、組成が異なるということをまず理解する必要があります。
牛乳はカルシウムとマグネシウムのバランスが悪い。
牛乳はカルシウムが豊富に含まれるので骨を丈夫にする、ということが言われていますが、
大切なポイントは、カルシウムとマグネシウムのバランスです。
「カルマグ比」とも呼ばれ、カルシウム:マグネシウム=2:1(または1:1)が最も理想的なバランスです。
しかし、牛乳のカルマグ比は11:1で、非常にバランスが悪いんです。
そのため、牛乳を飲めば飲むほど、カルシウムを体内から排出しようとして、骨からカルシウムを溶かしてしまいます。(このことを「カルシウムパラドックス」と呼んでいます。)
ただカルシウムが豊富だから良いというわけではなく、牛乳の場合、カルシウムが多すぎるということが問題なんです。
ハーバード大学の研究によると、7万8千人の女性を12年間調査し、骨折は乳製品を摂取するほど多く、大腿骨頸部骨折の増加リスクは乳製品由来のカルシウムに関係していると結論づけています。
また、米国国立乳牛議会では、1日1杯の牛乳を2年間摂取した女性は、全く摂取しなかった女性に比べて、骨量が2倍の速さで減少し、牛乳によるタンパク質のとり過ぎが原因と結論づけています。
これは、乳製品のカルシウムパラドックスによって起きているということが言えます。
牛乳のカゼインは分解・消化できない。
牛乳にはタンパク質が豊富に含まれており、その80%を占めているのが「α型カゼイン」です。しかし、ヒトはこのα型カゼインを分解・消化することができないため、腸の中で未消化物として溜まり、腸に炎症が起きやすくなってしまいます。
また、α型カゼインは人間が消化できないため、アトピーや喘息、花粉症などの「アレルギー」の原因にもなります。
日本人の8割以上は「乳糖不耐症」である。
牛乳に含まれる糖は「乳糖」と呼ばれており、乳糖は「ラクターゼ」と呼ばれる消化酵素によって分解することができます。
しかし、日本人(アジア人)の80%以上は体内でラクターゼを作ることができない「乳糖不耐症」です。
ラクターゼの量は乳児で高いですが、離乳後にラクターゼの量は減少していきます。
そのため成人になると体内でラクターゼを作らなくなり、牛乳を飲むことでお腹が緩くなったり下痢になってしまうということが起きます。
生乳であれば乳糖を分解するラクターゼが含まれますが、加熱処理されて販売されている牛乳には含まれませんので、このような症状が起きてしまうわけです。
乳製品は「嗜好品」として、植物や小魚からカルシウムを摂りましょう。
ここまで、乳製品(特に牛乳)は実は身体に良くない・合わないということを解説しました。
もちろん、乳製品は美味しいので、全て排除するという考えを持つ必要はありません。
ただし、乳製品はあくまで「嗜好品」として食べるようにして、日頃から意識して摂取しなくても良いというのが、私の主張です。
カルシウムを取るのであれば、海藻類や緑黄色野菜、小魚から十分に摂ることができますので、日頃の食事は「まごはやさしいわ」を意識することをオススメします。
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