身体につかない油脂「MCTオイル」とは?
こんにちは、パーソナルトレーナーの高正です。
今回は、ダイエットや健康の情報で度々目にする、「MCTオイル」について解説します。
MCTオイルとは?
MCTオイルとは、中鎖脂肪酸トリアシルグリセリド(Medium Chain Triglycerides)だけで構成される油脂のことです。
通常の植物油脂では、中鎖脂肪酸以外にも、短鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸及び、不飽和脂肪酸等のトリアシルグリセリドで構成されますが、MCTオイルはココナッツ油やパーム油などのヤシ科植物の油脂から中鎖脂肪酸のみから精製されます。
MCTオイルは最近になって注目され始めましたが、実は40年以上前から栄養補給の手段として医療現場で使用されてきました。具体的には、てんかんの改善や術後患者の栄養補給、高齢者のエネルギー補給などで利用されている油なのです。
MCTオイルの性質
MCTオイルは、「体につかない油」や「エネルギーになりやすい油脂」などと呼ばれています。
その理由は、代謝の特性にあります。
まず、通常の食用油脂の場合、小腸で消化吸収された後、リンパ管・静脈を通過し、脂肪組織に一旦蓄積されます。そして、必要に応じて肝臓で分解されることになります。
一方、MCTオイルは小腸から門脈を経由して、直接肝臓に移動し分解されてエネルギーになります。
つまり、MCTオイルは腸管吸収後の代謝経路が、通常の食用油脂と異なり、非常に吸収が早いのが特徴です。
そのため、体に合わない人や一度に多く摂取してしまうと、下痢などの症状を起こすことがあるので、注意が必要です。
また、MCTオイルは発煙点が低く、調理(特にフライ調理)には向かないため、常温で飲料に混ぜたり、サラダ等にかけて食ベることがポイントです。
ある研究によると、MCTオイル摂取後は血中のケトン体値の上昇や中性脂肪の上昇を抑制する効果があると報告されており摂取するメリットもありますが、MCTオイルは、身体にとって必ずしも必要な油ではありません。そのため、MCTオイルを使う目的を明確にした上で、取り入れると良いでしょう。
========
この記事をシェアする